「かつて神だった獣たちへ(TVアニメ動画)」

総合得点
63.9
感想・評価
237
棚に入れた
841
ランキング
4104
★★★★☆ 3.1 (237)
物語
3.0
作画
3.1
声優
3.3
音楽
3.1
キャラ
3.1

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

その者、神か獣か…

この作品の原作は未読です。
視聴の決め手はありきたりですが出演される声優さんです。
くまちゃん、日笠さん、能登さん、真綾さん、市ノ瀬さんにはやみん…
これだけの声優さんを揃えた作品なんです。
気にならない訳がありません。


パトリア大陸に生まれた民主主義国家【パトリア】。
経済的不一致から【北部パトリアユニオン】と【南部パトリア連合】に分裂したこの国では、長きに渡る内戦が続いていた。
劣勢に追い込まれた北部は、南部打倒のため、ついに禁忌の技術を用いてしまう。
人間を異形の兵士への造り変えるその術は、人の姿と引き換えに神にも喩えられる力を得るというもの。
その力により長き戦乱は、和平へと導かれる事となった。

【擬神兵】、それは【神】と称えられた救国の英雄。

時は経ち、戦争が過去へと移り変わる今。
人の姿と引き換えに【擬神兵】となった者たちは、その過ぎたる力故、
人々からただ【獣】と呼ばれ、恐れ蔑まれる存在へと変わっていた。

元擬神兵部隊の隊長・【ハンク】は、【獣】に身を堕としたかつての戦友でもある【擬神兵】を殺す者【獣狩り】として旅を続けていた。
擬神兵だった父の仇を探す少女【シャール】はハンクと出会い、父の死の意味を知る為、共に旅することを決意する。
やがて知る、戦い続けなければならない本当の理由。
そしてハンクが探す【獣を解き放った男】の存在。

仲間殺しの罪を一身に背負い続けていく【ハンク】の旅路の行き着く先とは?


公式HPのINTRODUCTIONの一部を引用させて頂きました。

見応えたっぷりの作品だったと思います。
声優さんの迫真の演技もさることながら、扱っているテーマがとても重いからです。

人間の欲深さや傲慢さが産み出した産物である擬神兵…
戦争中、間違いなく彼らは英雄でした。
長きに渡った内戦を終結させたのも彼らの尽力によるところが大きいでしょう。
だから、人間は彼らから最大の恩恵を受けてきたんです。

ところが、自分に不都合になったからといって掌を返すように逆賊にまで立場を転落させるのは、いくら何でもやり過ぎでしょうに…
彼らはもてはやされ続けたかった訳じゃありません。
みんなと同じように一緒に静かに暮らすことを望んでいただけなんです。

ですが、擬神兵に懸けられた呪いが徐々に身体と精神を蝕んでいく…

毒を作る時には、解毒剤も一緒に作るのが世の常ですが、毒だけ作って解毒剤を作らなかった結果がこれです。
人の人生って、誰かによって簡単に変えられてしまうほど軽くは無いのに…

だから自分の立場を十分に理解しながらも、あの日みんなで交わした約束を
愚直に履行しようとするハンクの姿と彼が発する言葉には正直胸が痛みました。
人間の行いを「善」と「悪」だけで判断するなら、きっとこの作品を視聴した誰もが人間の行いを「悪」と見做すでしょう。

でも、人間には例えその気はなくても…巡り巡って現実でも結果的に同じようなことをしている気がしてならないのです。
私たちが考え続けなければいけないテーマなんだと思います。

それにしても…そんな擬神兵に寄り添うシャールの姿勢は凄いと思います。
誰もが真似できることではありませんから…
扱うテーマは重いですが、その分だけ見応えのある作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、まふまふさんの「サクリファイス」
エンディングテーマは、Gero×ARAKIさんの「HHOOWWLL」と、劇中歌としてはやみんの「Beatrice's Lullaby」
まふまふさんの曲は相変わらずキレッキレですね。
格好良いんですが、キーが高すぎてカラオケでは絶対に歌えない曲です^^;

1クール全12話の物語でした。
物語の終盤に差し掛かる頃に、物語がラストに辿り着かない確信はありましたが、終わり方としては大分中途半端だったのではないでしょうか。
続編ありきなら分かりますけれど、「13日の金曜日」的ラストはもやもやが残るので個人的にはあまり好きじゃないんですよね^^;
とりあえず、吉報を待ちたいと思います。

投稿 : 2019/09/21
閲覧 : 249
サンキュー:

12

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