シャベール大佐 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
怪物の姿に変身して戦う改造兵士たちの悲哀を描くダークファンタジー
怪物の姿に変身して圧倒的な力を発揮する改造兵士・擬神兵(ぎしんへい)の活躍によって長い内戦が終わった大陸を舞台に、平和になると厄介者とされた擬神兵たちの悲哀を描くダークファンタジー。全12話。
ストーリーは、擬神兵部隊の隊長だった主人公・ハンクが、各地で人の心を無くして暴走する昔の戦友たちを殺していく、みたいな感じ。題材や図式的にはそれほど悪くなかったと思いますが、実際に観てみると、いまいち盛り上がらなかったです。いちばんの問題点は、過去をしっかり描けていなかったこと。英雄から邪魔者に、仲間から敵にという、戦後の擬神兵たちの境遇の変化こそが物語の土台となる部分なのに、過去の描写が通り一遍なので、あまり気持ちが伝わってきません。尺の制約を度外視するならば、この作品の内容には本編と同等の分量の過去編が必要だったのかも、なんて思ったりしましたが、考えてみると1話完結形式でも観る人の感情を動かせるようなアニメもあるわけで、単にキャラやエピソードの作り込みが浅かっただけかもしれません。
音楽や作画は、まあ普通くらい。声は、ヒロインのシャール役の加隈亜衣の声がかわいくて、個人的には、そこがこの作品のいちばんの魅力でした。
最後まで観終わって、描きたかった世界や目指した方向性は理解できますが、アニメ作品としての出来は平凡という感じでした。主人公の苦悩がもう少し切実に感じられたら、全体の印象も変わったかもしれません。