ゼルミナ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
痛切に語られる日常の尊さ
2019年観了。
いやもうホント久しぶりに濃密なアニメ体験をしてます。
(今だに小説含めて周回中…)
『鷲尾須美の章』は、約束された悲劇に向かいつつ、挿入される日常回が本当に素晴らしい。輝いている。アニメ的にも、物語的にも、演技的にも。
ただ、それに逃避や没頭ではなく、ちゃんと予兆を挟んでくるのも良いのだが、またそれが上手い。上品、といっても良いレベル。
総じて一期の積み重ねを活かした良作と言っていいと思う。
一期みたらマスト見ろでしょう。
『勇者の章』は、物語の構成が面白く、引き込まれる。
予想は裏切り、期待は裏切らないという名句の通りのストーリーが(小説を含めた今のところの)全てのラストに収斂していく様は溜息と涙が止まらない。
特に、今まで作品全体を牽引してきた結城友奈の変化に胸打たれる。
テーマを消化するための人形ではない、確かなキャラクター性を感じ、もともと好きだったのにもっともっと好きになった。
属性的に言えば、ノータッチのはずなのに、である。
そしてラスト…超展開、などという揶揄に耳を貸す必要はない。
その瞬間のカタルシスに身を任せよう!
ワカラナイというなら、何度でも見直して自分の頭で考えれば良いのだ。
あと、とにかく乃木園子、いやあえて「そのっち」と呼ばせてもらおう。
そのっちが素晴らしい、可愛いよ天使だよカッコいいよ勇者だよ…
花澤香菜の芝居と、演出の素晴らしさが極めて高いレベルで一致していて、ホント、登場しただけで泣きそうになるわ。(でも笑ってる。)
属性論で言えば、いくらでも類型を見つけられるかもしれないけど、唯一無二のキャラだと思う。
こういうキャラクターがいるアニメは素晴らしいに決まってるのだ。
「園子もいるんだぜー!」
「レッツエンジョイ…カガワライフ!」
「…そうなりたかったわけじゃないのさー…」
など、小さな台詞で場の雰囲気を変えていく(伝えていく)のは圧巻。
そのっちがいてこその勇者部なんやで!(断言)
大人側の見解をさりげなく挿入して物語に厚みを加えたのも好プレーだったし。ああああ…そのっちー!そのっちー!そのっちー!