ようす さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
時代は変わる。だけど、変わらないものだって確かにある。
昭和元禄落語心中・2期です。
こちらを観る前に、
1期を先に観てください。
私は1期ではそんなにハマらなかったのですが、
2期でぐぐっと引き込まれましたね。
1期と2期では時代も大きく違うし、
メインの登場人物も違うからでしょうか。
2期も見てよかったです^^
2期は全12話です。
● ストーリー
落語家・八代目八雲(やくも)に弟子入りをしてから十数年。
とうとう真打(しんうち)となった与太郎(よたろう)は、
助六(すけろく)の名を継いだ。
八雲の義理の娘・小夏(こなつ)の子どもの父親になろうとしたり、
自分の落語が何なのか苦しんだり、
八雲の体調がよくなかったり、
いろんなことが、
助六に重く絡みついてくる。
1期は八雲の過去の話が中心でした。
2期は時代が1期の1話に戻ります。
主人公も八雲の弟子・与太郎に交代です。
まあ、八雲も主人公的立ち位置なのは変わらないのですが。
1期の八雲の過去の話は、
恋に溺れて、引きずられて…な物悲しく重い雰囲気でしたが、
2期の方は与太郎のからっとした性格によって、
重い話でも沈みこむことがなく、家族や人の温かさも感じられました。
2期は毎話に近いほど涙していた気がする(´;ω;`)
それも悲しい涙じゃなくて、
「よかったね。」と温かく、嬉しい気持ちになる涙でした。
≪ 八雲の人生 ≫
1期で描かれた八雲の人生。
それは決して幸せで、楽しいだけのものではなかった。
月日が流れても、過ごしてきた過去は変わらない。
抱えているものの重さが軽くなるわけではない。
だけど、時代は移り変わる。
環境は変わっていく。
そうすると、
人生に対する見え方も変わってくる。
八雲の人生は悲しみも多かったけど、
こうして振り返ってみると、
たくさんの人に囲まれて、大好きな落語で満たされて、
幸せな人生だったんじゃないかな。
嘆かわしい境遇が決してよい思い出とはならなくとも、
自分の欠片のひとつとして、確かにそこにある。欠かせないものとなる。
自分の運命を嘆くばかりより、
周りの人たちの支えによって、
いつか受け入れられる時が来ると信じるといいのかな。
そんな希望が感じられました。
● 声優
今回も作中で落語がたくさん演じられます。
私は本物の落語に詳しくありませんが、
声優さんがすごい!ということは1期同様、ビシビシと感じました。
普通に落語を話すだけでも相当技術が必要だと思うのですが、
作品ではキャラを演じなければならない。
キャラごとに落語にも特徴があるから、
それに合わせた演技をしなければならないし、
同じキャラでも
年齢によって話し方が変わってくるだろうし、
とにかくそういう微妙な差異も
ちゃんと演じ分けられているのです。
いろんな落語家が登場するのだけど、
みんな上手だからすごいよなー。
抑揚のつけ方とか、一人が複数の役を演じてる感とか、抜群すぎる。
さすがプロです。
● キャラクター
どのキャラも味があっていいですね♪
私のお気に入りは小夏の息子・信之助(しんのすけ)です^^
いやいや、なにこの天使!
いい子に育ったな~。
こうしてみると、
大人に囲まれて育つ環境はいいもんだと思いますね。
彼の成長が楽しみのひとつでもありました♪
もう一人、八雲の身の回りの世話や運転手をしている松田さん。
1期から登場していますが、
2期では松田さんの人の良さが爆発してました。笑
関わってきた人たちを愛し、
本気で案ずる思いやりに涙だわ(´;ω;`)
● 音楽
【 OP「今際の死神」/ 林原めぐみ 】
1期同様林原めぐみさんが歌っています。
私はこちらの曲の方が好きかな。
アニメーションも力が入っているように感じました。
八雲がからめとられている運命を感じさせる不気味さ…。
【 ED「ひこばゆる」】
1期同様歌のない曲。
「ひこばゆ」とは、「切った木の根株や根元から芽が出る。」
という意味だそうです。(goo辞書参照)
そのタイトル通り、
爽やかな緑が似合いそうな穏やかな曲ですね♪
● まとめ
1期ではそれほどハマりませんでしたが、
2期はとてもよかったです。
でも1期の話があってこその2期なので、
この作品に対する印象が変わったと言う方が正しいかな。
時代と共に在り方は変わっても、
落語がなくなることはない。
そんな希望を感じさせる終わり方もよかったです♪