D-DVirtual さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
仮想現実の未来を推進めたメタリアル(メタル)
メタリアル・ネットワークを2019年のゲームで理解できるように説明すると、マインクラフトを手を使わず、脳信号をデジタル化(電脳化)しアバターを通して直接プレイできるようになる空間の事で、海にも潜れるし深く潜れば水圧もかかる。
しかも、電脳化したら全感覚へのフィードバックが有るので、道具を使って何かを殴れば手にしびれは来るし、何かを食べれば味が分かる。
そこで、ぼんやりとした常識以上の制限が無ければ、その人の貪欲な欲望を体感する為には資産を投げうち堕ちて溺れる者も出てくる訳で、そのような失踪者やならではの新たな犯罪に引っかかる被害者も出てくるのが世の常。
舞台設定上法整備も整っていないので警察もメタルに対する捜索警備力を持ちえず、つまりは無法状態で困った事になった人間はメタル専門の探偵のドアを叩く事になる。
そう、これはいにしえのハードボイルドスタイルだったのだ。
ぽっちゃりさん達のおかげで全く気付かないよう仕組まれているが構造はそう。
さて、この物語にはもう一つのメインテーマがある。
それは環境分子や気象分子・通信分子(ナノマシーン)散布による環境コントロールを目的とした技術から副次的に起きた自然環境が電脳化したという物語。
波留真理が49年昏睡する原因は、環境分子濃度上昇の為の散布によって深海に蓄積されたストレスがナノマシンを伝って人工島に電磁発火を引き起こし、タイミング悪く電脳化と観測デバイスをオープンにした状態でそれに巻き込まれた彼は昏睡した。
自然環境のストレスと簡単に書いたが、ここを視聴者に考えてもらう事がこのアニメの本当の狙いで、人間の欲望による消費が引き起こす環境ストレスとの対比をもっと考えて欲しいていう製作者たちの願いが詰まった作品だと思った。