Jun さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
愛と文化と戦争はどこからきたか考えたSF
意表を突く設定で、以降数々の派生作品を生み出した独特の空気感がある。
二人称のことをおたくと言ったり、司令艦橋での冗談などゆるい雰囲気。。戦闘機乗りに、冗談半分で「人殺し」と言い、「仕方ないだろ。」と軽く返すセンス。お茶の間での戦闘物語。
この辺りの世代の違う作品をたのしむためには、演出や作画のの粗探しに終始せずに、何を意図しているのか想像しながら話の展開に集中するしかない。真面目な話なんだろうけど、今の二次元リアリティを求めるとしらける。
ずっと宇宙戦争SFだと思ってたが、ファーストコンタクトもの。異星人が歌やアイドルやディスコやキスに仰天する。で、あっと驚いて麻痺している間に攻撃してやっつけてしまうのだが、未だにやっぱり今回も附に落ちなかった。異星人の受ける地球文化の影響も単に18禁、15禁レベル。15禁の力で戦闘衝動に対抗できるのか。これはギャグSF、あるいは自分の想像力の欠如。おもしろいテーマなんだけど。
で、なぜ附に落ちないか考えてみると、クライマックスでのミンメイの歌、ミンメイの愛に同意できないし、感動できないことが主原因だと。
戦闘と並行してボーイミーツガール(というかメロドラマ)が展開される。少年がどちらとくっつくのか、やきもきさせるのは定石だが、落とし所が現実的で興醒めする。たまたま出会ったレストランの娘とキャリアを積んだ提督の娘。何も迷って理屈をつける必要などない。
歌も含めて、僕はミンメイが全く好きになれない。ちょっと天然で可愛げがあって、声が出て、歌になる程度でちやほやされて、そのくせ人(男)について行くしかなくて、少し上手くいかないと感情的になるヤツが。
37年前はこういうアイドルが支持されてたとは信じ難いが。
制作側都合での、地球荒廃後のエピソードは蛇足(いい話もあるが、赤ちゃんを盾にするのは禁じ手)。それに落ち目なアイドルを引っ張りすぎてくどい。地球の再軍備って、逆に“文化”の力を否定して27話の奇跡に水を差している。
最後にクローディアさん(作画、性格、声優さん)に助演女優賞をお渡ししたい。一番の功労者。(何故彼女が播種線艦長じゃないんだろう。)
まだ歴史の中に埋もれる話ではない思う。