Tnguc さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
無味無臭の萌えアニメかと思ったら意外にも硬派なコメディー作品
~
ロストテクノロジーと呼ばれるオーパーツを探す組織・エンジェル隊に所属する5人の少女の活躍と日常を描いたドタバタ美少女コメディー。
企画元のブロッコリーという会社は、当時宣伝していたCMの印象などから生粋のオタク向けコンテンツだと思われていたと認識するが、事実、私の学校では「ギャラクシーエンジェル」や「デ・ジ・キャラット」などといった作品は、教室の隅でノートに美少女キャラを書いてはニヤニヤ笑っている様なオタク君が好き好んでいた作品だったし、そういうイメージもあってか今日日まで全く興味を示すことはなかったが、先日dアニメで配信されたことをキッカケに視聴をしてみたところ、意外にも下地がしっかりと作り込まれた正統派なコメディー作品であることだと思い知らされた。
ユーモアのあるシナリオは魅力的だったが、1話15分程度しかない関係上、爆発オチなどの荒唐無稽な話も多かった印象を受ける。しかし、エンジェル隊のシリアスな一面を描いた真面目なストーリーもあったりして、個々のキャラクターは宝石のように輝くものがあった。テンプレ化された昨今のキャラクターに比べるとエンジェル隊は良い意味で薄味で、むしろ人間味の方が濃く作られている。その為、視聴者に媚びるような個性や描写は少なく、あくまでも視聴者がキャラクターの魅力を拾い上げるような形で描かれていて、その点が素晴らしかったと思う。
そしてなによりも驚くのはクレジットに記載されている藤田まり子(ふじた・まりこ)や浅香守生(あさか・もりお)などの「CCさくら」を制作したスタッフたちの豪華なラインナップだろう。ところ狭しと暴れまわるコミカルな動きの中で光る高い技術が本作でも発揮されていて、プリミティブらしさが魅力的なOPのアニメーションも見応えがあって、何度観ても楽しい気持ちにさせてくれた。
ハルヒにしかり、けいおんにしかり、CCさくらにしかり、「オタクの入口」となった罪深い作品というのは一口に「萌え」だけではない魅力や品質が詰まっていて、それは本作でも十分に証明してくれている。
個人的評価:★★★★☆(4.0点)