Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
僕の人生は何もない。もし、唯一すばらしいものがあるとすれば…
公開2日目の上映に行ってきました。
座席指定の際に席があまり埋まっていなかったことで、自分の甘さが露呈した気がしました。
公開2日目で2回目の上映を予約していた私は、少し早めに映画館に行けばグッズは手に入るだろうと安易に考えていました。
いざ行ってみたらグッズは全て完売で次期入荷は未定…挙句の果てに入場者特典も終了していたんです。
きっと公開初日の昨日は相当な修羅場と化していたんでしょうね。
グッズは京アニショップでも手に入るとの事だったので、「良き自動手記人形の証」をゲットさせて頂きました。
でもパンフレットだけは劇場でしか販売していないので、どうしても手に入らないんですよね…
うーん、どうしたモノか考えあぐねています^^;
…大切なものを守るのと引き換えに僕は、僕の未来を売り払ったんだ。
良家の子女のみが通うことを許される女学校。
父親と「契約」を交わしたイザベラ・ヨークにとって、
白椿が咲き誇る美しいこの場所は牢獄そのもので…。
未来への希望や期待を失っていたイザベラの前に現れたのは、
教育係として雇われたヴァイオレト・エヴァーガーデンだった。
公式HPのSTORYを引用させて頂きました。
テレビ放送版からクオリティ面で他の追従を一切許さなかったこの作品ですが、劇場版としての完成度の高さは半端無かったと思います。
特に裏の裏まで表現する背景にはヤバいくらい心が震えました。
この物語のキーマンは二人…
寿美菜子さん演じるイザベラ・ヨークと、碧ちゃん演じるテイラー・バートレットです。
SNSなどで役を演じられる事は知っていましたが、お二人を抜擢したのは正直英断だと勝手に思っていました。
でも実際に見た率直な感想は、お二人であるのが必然だったということ…
お二人の演技をしっかり受け止めるだけの十分な力量がこの作品には備えられていたからです。
それだけじゃありません…
この作品…に限った話ではありませんが、随所に生きることの素晴らしさや繋がりの大切さが、時にセリフ…時にキャラの細かな仕草やなびく植物の動き一つ一つに込められているんです。
それは衣服の動きにしたって然りです。
きっと動きの本質である不均一、不平等さが主体且つ緻密に描かれ、幾何学的な要素が皆無だからなんだと思います。
ほんの少ししか登場しない植物にも生命の息吹が感じられるなんて、もう作り手の皆さんがどれだけ拘っているか…どれだけ沢山の想いをこの作品に込めたかが計り知れません。
キーマンの二人がヴァイオレットちゃんに触れて何を感じて、どんな大切に気付くのか…
その導入の過程で流石と思ったのが手の表現の仕方でした。
本作では様々な場面で手が出てきます。
一見同じような仕草でも、その掌で感じている…或いはその手で掴んでいるモノは一つとして同じじゃありませんでした。
こんなにも凄い作品を作る京アニさんで起きた凄惨な事件…
皆さんが発信しているメッセージとまるで真逆な出来事なのが心の痛みを助長します。
そんな中、エンディングのテロップの後にスクリーンに映し出されたのは、「鋭意制作中」と打ち出された次作「劇場版ヴァイオレト・エヴァーガーデン」の予告動画でした。
まだまだ苦しみ、悲しみのどん底だと思います。
そんな中でも前を向いて進もうとする方がいらっしゃるのを感じる予告動画に思い切り励まされたような気がしました。
エンディグテーマは、茅原実里さんの「エイミー」
茅原さんの透明感のある声質と包み込む様な旋律がマジヤバいっ…
この作品のエンドテロップとの相性がこれ以上無いくらい抜群な楽曲だったのではないでしょうか。
結局目を腫らして映画館を後にすることになりましたが、視聴して良かったと心の底から思えた作品でした。
これからも出来る範囲で京アニさんを応援していきたいと思います。