「未来のミライ(アニメ映画)」

総合得点
65.5
感想・評価
230
棚に入れた
873
ランキング
3310
★★★★☆ 3.2 (230)
物語
2.9
作画
3.8
声優
2.9
音楽
3.3
キャラ
3.0

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

望まざる衝撃と望むべき家族愛

細田守さんの人気作『時をかける少女』に次ぐタイムリープもの。
でも内容はかなり違います。公開当時はそれなりに話題になった
作品。ところが、いざ観ようと思った頃には、何やら怪しい雰囲
気に。という事で、期待よりも怖いもの見たさでの視聴でした。


衝撃―――――――――――――――――――――――――――

それにしても凄い!くんちゃんの怪獣ぶり。突然現れた妹に頼る
母親を奪われたと思うのは至って普通の感情。それは分かる。そ
れに子供の我儘なんて大体こんなもの。それも分かる。だからと
言って何度もこれを見るのは正直キツかった。台詞も微妙ですし。

とは言え、基本的に家庭内の描写なのでその点は救いです。もし
公衆の面前で大暴れしてたら、逃げ出していたかも知れませんが。

我儘の他に真っ先に感じたのは、やはりこの子の声。我儘と併せ
て酷評の対象になっている部分です。それにしても、ここまでの
違和感はあまり記憶に無いし、まるで苦行の様でした、ホント。

所謂お家の事情ってことなんでしょうけど、本人の才能以前の問
題と言うか、何と言うか。確かに適役では無い気は正直しますが、
上白石さん本人が悪いというよりはキャスティングの問題だと思
います、これは。彼女の懸命な演技が返って痛々しく感じました。


視聴を終えて―――――――――――――――――――――――

肝心のストーリーは結構しっかりしているし、伝えたいものは比
較的分かり易い部類だと思います。物語の基本は子供の成長と家
族の成長。親が知らない子供の成長の瞬間とその不思議さを、過
去や未来の家族の繋がりによって映し出すファンタジー作品です。

くんちゃん、ずっと独り占めして来たお母さんを奪った未来ちゃ
んが憎くて仕方ない。それで色々と未来ちゃんに悪戯をしようと
する訳です。すると十数年後の未来ちゃんが突如現れては躾をす
る。そうやって思いやりの大事さや家族の繋がりを教えていく。

そのやり取りを面白おかしく、そして非常に綺麗な景色と独特の
アングルで幻想的に表現しています。終盤登場する未来の東京駅
はすごく近未来的で見応えがありました。

それと幼少のお母さんの実家にあった水槽。一見何気ない小さな
水槽ですが、知る人ぞ知るADAの創設者で写真家でもあった天
野尚氏の水景作品。こんな拘りもちょっと嬉しかったりもします。

それにしても、よちよち歩きの未来ちゃんが可愛らしい。それと
曽祖父。この物語で一番魅力的に映った人物。何よりも福山雅治
さんのとても自然な演技に感心しました。流石の才色兼備です。


他に気になる点――――――――――――――――――――――

彼の声以外で気になった点が一つ。前半犬のゆっこが説明してい
た「同じ空間で同時に二人は存在しない」タイムリープの鉄則。

くんちゃんが未来の自分と駅で口論してたけど、それ大丈夫?

仮想の中の仮想空間だから良しとする?ご都合も一歩間違えれば
整合性の崩壊を招く気がしますが、どうなんでしょうか。(笑)

ファンタジーなんだから、あまり細かいことは気にせず楽しんだ
方が良いのかも知れませんね。何せ国内外で多くのノミネートや
幾つかの賞も取っている訳ですし、観る人によってはとても感じ
るものがある作品なのでしょう。

時代と共に多様性を見せる家族の理想。互いの価値観を認め合い、
常に帰るべき居心地の良い場所を探り続ける。そんな日々繰り返
される破壊と修正の中で、絶対に失ってはいけないもの。それは
家族への愛と優しさなのだと思います。

投稿 : 2019/09/26
閲覧 : 224

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