なばてあ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
折り紙と祈り神のメトニミー
感想は1期のレビューとほぼおなじ。
50話以上にわたってクオリティコントロールを完遂したスタッフに花束を。
笑い男事件とくらべて、個別の11人事件はやや生っぽいウェットな性質がある。2期よりも1期を高く評価するひとが多いのも、頷ける。とはいえ、「難民問題」や「世論の右傾化」といった要素を取り入れた2期の新しさは、制作時期を考えると圧倒的。わたしはSACシリーズをSFとしては評価できないけど、ドラマとアクションは手放しで評価したい。その伝で言うなら、この「新しさ」に鑑みて2期は1期よりも高い評価。
ただ、キャラデザがやや軟化したのがかすかに引っかかる。西尾さんが作画スタッフのイニシアチブを握り始めたことと関係しているのかもしれない。そこがわたしのなかではややマイナス。
最後に、オーラスの出島攻防編にかんして、ドラマと作画の仕上がりの良さは特筆すべきもので、決算をまとめるとすればやはり2期がわずかに上にくる。「まるでハリウッドの有名ドラマを見ているかのようにエキサイティングなフィルムだった」。アニメのアニメ的なアニメ感は希薄だけれど、それはある種の理想を実現しているともいえる。 {netabare}トリガー的な美学とは真逆をいく、リアリズム路線として、やはり完成度は常軌を逸している。 {/netabare} 2期の11話『草迷宮』は神回。途中からオーラスにいたるオチは誰の目にもあきらかではあるけれど、でも、作画も含めてあのセンチメンタルなムードはギャップ萌えも手伝って、はなはだすばらしい。
衝撃:★★
独創:★☆
洗練:★★★★★
機微:★★★
余韻:★★★