たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ロケットマン
エルトン・ジョンの楽曲「ロケットマン」は、アメリカでアポロ計画が流行り宇宙飛行士がヒーローだっだ1960年代後半から70年代前半にかけて、テレビや新聞やコミックやシリアルの表紙に至るまで世間的にもてはやされ偉大で英雄扱いされている宇宙飛行士の心の内面を歌った曲であり、今年公開された自伝映画「ロケットマン」の主題歌でもあります。
宇宙飛行士といえどもただの人間。テレビやラジオでは対面を守っていますが、本当は人一倍気弱で、別に好きでもない仕事をサラリーマンと同じく週5日で熟さなければならない辛さと、宇宙では家族や妻の声も聞くことができない寂しさを歌っていて、我々日常で働いてる人間と何も変わらないことを表現しているのです。
以前、「スーパーヒーロー」も「個人」でしかないと言いましたが、それは別にヒーローに限った話ではなく、宇宙飛行士もオリンピック選手もアイドルも企業の社長も何もかも「ただの人」でしかなく、実際は苦労や孤独で胸がいっぱいだったりするのです。
本作「大江戸ロケット」は「劇団新幹線」という劇団の演劇から派生したアニメ作品と極めて特異な作品ですが、ロケットを宇宙へ飛ばす情熱と人情噺といういかにも日本人らしい「粋」な表現で結構好きだったりします。ガイナックスの「オネアミスの翼」もそうですが、「夢や希望」の裏には人知れない「孤独や努力」が隠されているという意味合いを持ってしても、人間とはそういうものだという諦観が素晴らしいと思います。