UNI さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
完成度が高い!
ほんの少しビターなところもありますが、完成度の高いハッピーエンドで良かったです。
原作は昔に読了済みでしたが映像で観るとまた違うよさがあり、改めて楽しめました。
まず、舞台設定が面白くて期待感をそそられますね。半数以上が能力者が暮らす町だけど、何故か外へ出ると何であれ関連情報を忘れてしまう。普通に修学旅行にも行けちゃうにくい設定(笑)この町の境界も物語に関わる大きな意味を持っています。
そんな中、主人公は強力な記憶能力者なのですが、了解のうえ町で軟禁状態になっているわけです。
表面だけ見ると可哀想ですが、能力は後天的な願望に沿った能力を得られるので、主人公には救いや幸せに溢れた理想郷に思えたのかも知れません。猫好きが猫と意識を一緒に出来たり寝たきりでも夢の中で万能になれたり……。村瀬さんは特に分かりやすく自分のルールで何でもイメージ通りに拒否出来たけどケイを殺害してからは心にストッパーがかかる等など。
能力者一人ひとりの能力に人となりが表れているのが魅力的です。
本筋ですが中盤まで観ると何故都合良くキーマンがいるのか納得出来てすっきりしますし、次なる展開にワクワクしますね。
途中までとか、さらっと観てご都合主義なんじゃと思われてしまう方がいるのは残念ですね。丸太はあるか?丸太あったよ!は、いわゆるご都合主義ですが、何故そこに丸太があるのか納得できる説明がこの作品にはきちんとあると思います。
終盤の菫のシャワーでの吐露やケイの家族との再会、ラスボスですら説得合戦するところは本当にこの原作者らしさが出ていて最高でした。
アニメ化して良かったのは声優さんの演技の素晴らしさもあります。原作は主人公視点で地の文で心情が細かに紐解かれていましたがそう言った感情の機微を表現出来ていたと思います。オーバーな演技だけが作品表現じゃないと思います。
長くなりましたが、総括すると本当に素晴らしい作品をありがとうございました!