二足歩行したくない さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
言葉が通じるのに理解ができない物語
うーん、レビューしづらい作品です。
実は既に何度か書いては消しているのですが、ストーリーも設定も世界観が独特すぎて、ワンクールしっかり視聴しながらも理解ができていないため、説明ができないです。
それゆえにレビューもふわっとしたものになりますが、その方が作品の雰囲気が伝わるような気もするのでご容赦いただければと思います。
端的にわかる範囲で述べると、「りつ」、「りん」、複数人存在する「りな」達姉妹は水を探しながら世界を旅して生きています。
彼女たちには「赤虫」と呼ぶ敵がいて、それは彼女たちにダメージを与える赤い霧の中に住みます。
姉妹は他にもいましたが、物語の開始段階で既に死んでしまった様子。
ある日、彼女たちが見つけた水源から突如「ワカバ」と名乗る物体が現れ、彼女たちと出会うところから物語が始まります。
彼女らは食物を食べず、唯一りなだけは構造物を食べる描写があります。
水で活動でき、逆に言えば活動には水が不可欠。
そして体内にケムリクサという物体がコアとして存在しています。
また、ケムリクサは自生もしています。
その他もろもろ独自設定があるのですが、普通に人間が、未知の世界を旅しているのではなく、何かしらの比喩を含んだストーリーである感じがする内容となっています。
ただ、作中で舞台に関する説明がそもそも行われておらず、考察を前提とした内容、あるいは思わせぶりな雰囲気だけで深く作られていないような感じがあります。
そしてその世界の謎は最後まで解明されません。
ただ、作中のキャラたちは世界の謎の解明なんてものを目標としておらず、じゃあ何を持って終わったかというと、それはなんなんでしょうね。
結局、主人公たちにとっていい結果で終わったらしいのですが、何が終わったのか、そもそもなぜ始まったのか、抽象的すぎて意味がわからないです。
一応、こうではないかという解釈はできるストーリーなのですが、全てを説明できる訳ではなく、言葉が通じるのに理解ができない物語が続いて終わります。
つまりどういうことかというと、全く意味がわからなかった。
で、面白かったかというと私は面白かったです。
監督はけものフレンズのたつき監督で、けものフレンズ同様、3DCG形式のアニメとなってます。
それがまた作品の不思議な雰囲気とマッチしていて、良かったです。
3DCGということで忌避感を覚える方もいると思うのですが、正直後でだんだん面白くなくわけでもないし、謎が少しずつ解き明かされるわけでもないので、1話目でダメな場合、2話目以降もダメだと思います。
一方で、1話目でその世界観に魅了された場合はそのままの雰囲気で最後まで安定して続くため、最後まで見ることをおすすめします。
本作について何が面白いかを文章で伝えるのは非常に難しいです。
ただ、意味は不明だが与えられた環境に足掻き抗い続けるキャラクターたちの真剣さには何か共感できるところがあって、事情はさておき良かったと思える物語でした。
けものフレンズは未視聴なのでこれを機会に見てみようかと思います。