退会済のユーザー さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
刹那に灯る夏の蛍火 【ねこ's満足度:75pts】
まさに”夏目友人帳外伝”と言うべき作品。
儚くて切なく、それでいて優しく暖かい。
緑川先生の真骨頂といえる、美しくて心温まるラブストーリーです。
主人公”蛍”と妖怪”ギン”が出会ったのは、蛍がまだ6歳だったある夏の日。
偶然出会った二人にとって、夏という季節は徐々に特別な『約束の季節』へと変わっていきます。
そして、いつかその約束の季節は二人にとって掛け替えの無いものへとなっていくのです。
『夏になれば会える!』から『夏にならないと会えない』・・・時を経て変わっていく少女の想い。
それは紛れもなく恋心。しかしギンにはある秘密がありました。
決して叶うことのない願い、彼女にとってそれはどれほど辛く切ないことだったでしょう。
{netabare}クライマックスシーンはとても感動しました。
しかし、個人的に最も印象的だったのは、その後に妖怪たちが蛍へ言ったセリフです。
「ありがとう」
いつかこんな日が来ると分かっていた。だけどアイツは幸せだった。
心優しい妖怪たちの言葉に、わたしの心は締め付けられました。
その後も『約束の夏』にひとり杜へ向かう蛍。
あと数年もすれば彼女も普通の人間と結婚し、母親になることでしょう。
その時は、彼女は子どもを連れてあの杜へ行くのでしょうか。
そして子どもにこんなことを言うのかもしれません。
「ここはね、お母さんにとって忘れられない大切な”人”に出会った場所なのよ」{/netabare}