なばてあ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
射影変換のムーブと誘い受けのナイーブ
評価はほとんど1期とおなじ。ストーリィはすばらしい。とにかくすばらしい。後半の鬱展開はかなり重くて足に来るけど、練りに練られたプロットのおかげでちゃんとついて行くことができる。プロットといっても、古典的な物語としての骨格が定まっているという意味ではもちろんなく、丹念にその都度「物語の零度」が生成される構造に貫かれているという意味。その点において、本作が2010年代の作品として練り上げた誠実さは際立っている。
キャラデザは1期よりもやや魅力が減った気がする。1期のキャラデザはさっぱりとシンプルで、線が少ないところがしっかりポジティブな価値を持っていた。2期は線が増えて写実度が若干上がった。しかしその点がポジティブな価値を醸していたかというと怪しく、結果として、魅力減。ただその分(というわけでもないのだろうけれど)、日常芝居の作画は1期より丁寧になっていて、そこは魅力が増しているといえる。トータルとして作画への評価は、・・・依然「物足りない」としか。
{netabare}1期のレビューでライブシーンを酷評したが、2期の最初のライブシーンはさすがにそれなりに作り込んできた。ボーカルの由比ヶ浜結衣の重心の揺らぎなどなど、『けいおん!』や『Angel Beats!』の水準にまでもってきた。とはいえ、他のシーンはそのふたつの作品ほどに手をかけられたものとは言えない。ストーリィのすごさと比べて作画のチープさが悪目立ちしてしまう不幸な構造は持ち越されている。 {/netabare}
いずれにせよ、3期制作が決まったことはめでたい。
衝撃:★★
独創:★★★☆
洗練:★★★☆
機微:★★★★★
余韻:★★★★★