退会済のユーザー さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
共存のための選択
人間とヒューマノイドの共存。
超高度AIが作り上げたレイシア級hIEと呼ばれるヒューマノイド。偶然出逢った
hIEレイシアと遠藤アラト。美しい女性と見紛うほどの彼女に道具としての本質を
知った時、愛と信頼を変わらず抱くことが出来るのか問われている。
BEATLESS。それは心臓の鼓動を持たない物体。
hIEはあくまで行動管理クラウドのインターフェースであり、個々の行動や反応は
AIが指示する演出に過ぎない。理論上理解出来るそのシステムも、次々と自殺
を繰り返し、突然殺し合うhIEの異常な姿に恐怖を覚えたのも確かです。
いつしか人の知能を遥かに超えて、知性を持つ超高度AIとなったレイシア。
彼女が望んだ「人を信じ道具となる」という選択と、レイシアを「道具として愛
する」ことを選ぶアラト。この選択の一致こそがこの世界に於ける進みべき平和
への唯一の道であること。そしてアナログハックと呼ばれる疑似的な性的感情を
超えるその先にあるものこそが、互いが持つべき愛と信頼の本質である、という
ことでしょうか。
多少難解なれど、しっかりとした哲学的世界観を持つ魅力的な作品です。
ただし、不安定で壊れた作画や多用する幼稚な演出、説明の為の特番の多さなど、
アニメ化によって評価が高かった原作を完全にスポイルしてしまった非常に残念
な作品でもあります。