退会済のユーザー さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
亡き友に贈る円城塔の想い
若くして亡くなった伊藤計劃への想いとして描かれたであろうこの物語。
屍者として登場するフライデーに友であった伊藤を重ね、彼を想い苦しむ
円城自身をワトソンが演じる。
ザ・ワンの野望を阻止した後、フライデーによって屍者となったワトソン
は別の人格を持っていた。それは何故か。
魂は常に肉体と共にあり、死と同時に朽ち果てる。たとえ屍者として肉体
が蘇ったとしてもそれは新たに宿るべきもの。ワトソンは自らを実験材料
としてそれを示そうとしたのです。そして意識を持ちワトソンへ語り掛け
るフライデーもまた過去の自身の記憶は持っていなかった。
たった21gの霊素。それは決して追ってはならない失うべきもの。
魂の復活は、彼本人にとって苦しみでしかなかった。意思の存在を示した
フライデーが見せる苦しむ姿に、きっとワトソンはその思いを確信したの
でしょう。円城塔が想い描いたであろう彼への気持ちに胸が痛みます。
彼、伊藤計劃に対する円城塔の想いが込められた、とても切ない作品です。