ペガサス さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
令和の幕開けに相応しい傑作アニメ
新海誠監督による通算7作目、君の名はから3年ぶりの劇場アニメ。
晴天から大雨へと天気がめまぐるしく変化する日に新宿の映画館にて、現実にシンクロするシチュエーションでの鑑賞であった。
ストーリーの表層を追うだけでは分からないだろう、日本人の無意識の深層にあるものを掬い上げて映像として顕現させている。
日本の首都の中心には世界で最も有名な人柱がいる。
その血筋による仕組みとそれに付随する社会構造の終焉を日本人の深層意識に眠るものの目覚めを促すことで成し遂げようとする。
近年ではその脈動を感知している人たちも多いことだろう。
そこでは仕組まれ操作された世界ではなく、生の自然や宇宙と人類は対峙することになる。
この時代の転換期において見えぬところで脈動するものをアニメという表現方法でエンターテイメントに仕上げ提示する手腕はお見事である。
新海誠氏は時代と呼応することで時代に選ばれたアニメ作家であると言えよう。