二足歩行したくない さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
少女が目覚めたのは6体のゾンビが歩き回る恐怖の館
1度死んで蘇ったゾンビが複数集まり、佐賀を救うためアイドル活動をするというアイドルアニメ。
設定で既に落ちているので、若干不安を感じながら視聴しましたが、面白かったです。
ただ、ゾンビアニメ、ご当地アニメ、アイドルアニメ、そのどの点を取っても十分な内容であると言いきれない部分はあり、本作でやり切れなかったと感じる部分がありました。
未来に希望を抱いたアイドルに憧れる少女が、アイドルオーディションの申込用紙を手に家を飛び出したところ、車に撥ねられます。
次の瞬間少女が目覚めたのは6体のゾンビが歩き回る恐怖の館、そして自身もゾンビであるという衝撃的な事実を告げられた少女は、仲間のゾンビと共に佐賀を救うアイドルになるという突拍子もない幕開けで物語は始まります。
この少女「源さくら」をメインに、伝説の特攻隊長「二階堂サキ」、伝説の平成アイドル「水野愛」、伝説の昭和アイドル「紺野純子」、伝説の花魁「ゆうぎり」、伝説の子役「星川リリィ」、伝説の「山田たえ」という伝説メンバーと共にアイドルグループ・フランシュシュを立ち上げてアイドル活動をするストーリーです。
歌やダンスのシーンは血色悪いゾンビの姿ではなく特殊メイクが施されており、生前の色艶を取り戻しているという設定で活動します。
通常時は青白く目の落ち窪んだゾンビ姿をしていて、ある意味では堂々と死体画像を流しているアニメとなるのですが、気持ち悪さのようなものはないです。
むしろゾンビ姿がいいという層もいるのではと思わないではないです。
基本的に各キャラの個別のストーリーとステップアップするアイドル活動でストーリーは展開するのですが、山田たえだけは個別ストーリーがなく、この子だけ意識が混濁した状態のまま最終回となります。
山田たえはフランシュシュのマスコット的ゾンビなのでこのままで良い気はしますが、死因や復活させられた理由も分からないままなので、若干モヤモヤします。
山田たえだけではなく、そもそも条例により火葬以外の埋葬方法が現実的に難しい日本で完全な死体を手に入れてゾンビにした方法や、源さくらが復活した理由、何より、ラストは明らかに"続く"的な終わり方となっていて、本作のみでは完結していない内容となっています。
2期は確定しているので、そこでスッキリ終わるのかが気になるところです。
ご当地アニメとしては非常に出来が良く、佐賀の名所、ローカルスポットがピックアップされています。
フランシュシュの活動が佐賀県から出ないので、佐賀県民や周辺の県に住んでいる人は嬉しいんじゃないかなと思います。
私は佐賀に縁のない場所に住んでますが、本作を見て佐賀に行きたくなりました。
今後は佐賀といえばゾンビランドサガを想起しそうです。
面白かったですが、終盤はちょっと引っ張りすぎというか、中弛みのようなものを感じました。
個人的にはやはり山田たえ回が欲しかったなと、あと不死性を強調した、もっとゾンビ的なシーンが見たかったと思いました。