ぴかちゅう さんの感想・評価
3.2
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 2.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
リメイクとしてはもう少しがんばってほしかったかな。
[20話まで視聴]
フルーツバスケット。日本漫画の最高峰が原作です。一度アニメ化されているので、リメイクということになりますね。
まず、フルバはすばらしい作品であり、この作品を知らない方は、原作、オリジナルアニメ、リメイクアニメのどれでもよいから、ぜひ見てほしい。私は少女アニメは途中で断念することが多いけれど、フルバは原作漫画を最後まで読み終えた記憶があります。なお、オリジナルアニメも見たはずですが、いずれもだいぶ前なので、細部は記憶に残っていません。
原作が素晴らしいので、アニメのストーリー面での成功は約束されたも同然です。ただ、今作がリメイクであることを踏まえると不満が残っています。
具体的には以下の2点が不満です。
まず、コメディとシリアスのバランス。この作品のメインテーマは明らかに後者なのですが、どうもリメイクアニメでは、コメディに重点が置かれている気がしてなりません。うまく言えずもどかしいのですが、あくまでもシリアスがメインで、息抜きにコメディがある、くらいがバランスとしてよかったのではないか、という感じがします。やはり、フルバは基本的には、草摩家の皆の絶望的な状況が主軸にあるはずで、コメディ部分は、そのあまりの絶望感を和らげる程度にあればよいのでは、と思います。
この点、Season 1前半のOPは悪くないにしても、Season1後半のOPはちょっと賑やかすぎるのでは。やはり、オリジナルアニメの神OPがフルバの本質を捉えていると思います。
二つ目はリメイクとしての意義です。
今回は原作終了後なので、アニメを原作最終話まで描くことができ、かつ尺が長いという利点があるけれども、リメイクするからには、単に最近の声優さんを起用して、以前よりも美麗なグラフィックを採用するだけでは不十分だと思います。
リメイクが多いのは映画ですが、この分野はCG利用、コンピューターグラフィックの利用の発展速度が速い。また海外小説も新訳が出ることがあり、これもリメイクの一種ですが、新訳が出される理由は、言語の発展により、死語・新語などを取り入れる必要があり、つまり「いま、息をしている言葉で」綴る意味があるからです。
こうしたことに鑑みると、本作は、2001年のアニメからまだ20年も経っていないなかで、リメイクする意味が問われると思います。
まずグラフィック。確かにグラフィックは美麗になりましたが、例えば、2018の「色づく」のレベルではない。もう少しクリエイティブあるいは実験的なアニメーション使いをしてもよかったのでは、とも思います(たとえばefの宮村みやこのような)。
そして言語の進展ですが、過去20年での進展は限りがあるものの、十分検討した後が見られなせん。例えば、電波だって、電波少年などという言葉があった当時ならわりと意味がとりやすかったけれど、今はこういう使い方はしませんよね。まぁ電波は花島咲のシンボル的単語なので変更すべきではないかもしれないものの、例えばイメクラなんて言葉、もはや死語では?
グラフィック・言語の進展両方の面において、オリジナルがあるのにもかかわらず、リメイクを作った意義というのが見えづらかったです。
[25話まで視聴]
{netabare} 実は諸事情で23話を飛ばして24話を視聴してしまったのですが、どうもそれが不正解だったようで、あまり入り込めず。24話の前振りとしては、透と夾の絆みたいなものがもう少し伏線としてほしいところですが、21話22話が花ちゃん回で夾はあまり出てこない状況なわけです。その状態で24話をみたので、透はなぜ夾を救いに行くのか、みたいなところが見えませんでした。
ただ23話を見た後でも、むしろ23話の終わりは神楽と夾の関係をクローズアップしているので、24話の透と夾に直接結びつくかと言われると微妙ではあり・・・
フルバはもちろん、現実にはありえない純真な透が草摩家の人々を救うというお話ではあるので、こうなるのは仕方ないのですが、もう少し説得力がほしかったかな。このあたり原作やオリジナルアニメはどうだったか、気になります。
まぁでも25話は結構よかったです。
{/netabare}
フルバは素晴らしい作品なので、シーズン2を楽しみにしています。でも、どちらかというと、2001年版を再度見たくなりました。
[2023年10月追記]
完走した作品のみをレビューしているため、とりあえず完走できる質だったということで、これまで、レビュー点数は3.0以上としてきました。しかし、レビュー内容が辛口になっている場合でも3点台をつけているため、他の方の同じ程度の辛口レビューと比べて、点数がかなり高めになっていました。そのため、レビュー点数の下限を2.5点に変更し、この変更に合わせ、このレビューの点数も変更しています。