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退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
今でも答えを探し続ける意欲作
M・Ⅽエッシャーのトロンプ・ルイユや、幸の読む小説に伏線を張るなど、非常
に文学的に考えられ作られた作品だと思います。
例によって優れた作画と、ショパンやリストの名曲を挿入するなど、非常に美し
く仕上がっている。ただ、あまりにも不親切で難解に映るシーンによって、好み
が分かれてしまっているのがとても残念なところです。仮に意図的にそれをした
とするならば、やはり万人受けしなかったことは残念だったと思います。
この物語をシンプルに捉えるとすれば、「カモメのジョナサン」である駆の転入
を切っ掛けに仲の良い4人の関係が壊れかける。そして様々な経験を経て、この
街から新たに生まれ変わり、成長し旅立っていく。孤独に生きる駆もまた求める
物を透子と共に見つけ出し、彼女を思い見知らぬ場所へ旅立って行く。
それぞれが自分の居場所を見つけ出して行く作品。そんな印象を受けました。
思い描くことを好きな人とだけ共有出来るって、とても素敵に思います。
美しいガラス細工によってそれを写し出す映像は、とても神秘的に見えました。