退会済のユーザー さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ファンタジーな世界観で織り成す愛の意味を知る作品
人は元来、愛を与えられる事で育ち、いつしか愛を与える存在に変わり、愛を与えてくれた人を亡くす事で悲しみを知り、悲しみの果てにある感謝を覚え、より一層の愛を与えることに努める生き物です。
しかし時として、順序が狂う場合が生じ、その際は感謝を遥かに凌駕してしまう、絶望的な悲しみに押し寄せられてしまいます。
本作はファンタジーな世界観ならではの、シチュエーションで、愛を知りえない主人公が、愛を知る物語です。最終的には運命に抗えない悲しみを背負うんですが、ラストのシーンの台詞で
「また新たな別れに出会うために」
決して悲しいだけでは無く、経験を通して心に宿る大切な思い出こそが宝物と言う意味で捉えました。素晴らしいラストでした。
総評としても、映画と言う尺の中で、良く纏まり申し分ない満足感を得れました。
本作を映画ファンとしてからのアニメ映画で観る場合は少し評価が変わるかもしれませんが、アニメファンとしてのアニメ映画と言う観点からすると、個人的には単体のアニメ映画では本作が一番だと感じます。
良いアニメ映画を観させて頂きました。