lll1 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
MAPPAには未来を感じる
原作は読んでません。本当に、ほんの少しも。
各項目の評価は高めですが、そんなにこの作品は好きではないので、割と長めに書いてますけど、描いてる内容はめちゃくちゃ薄いです。
『どろろ』で初めて知りましたが、本編が始まる前に"制作会社:MAPPA"のオープニングが流れていた。
制作会社がテレビでこれをやっているのをあまり見たことがない。映画はありますけど、東映であったりジブリであったり。
今後ジブリやディスニー、ピクサーのように、MAPPAの名を聞いただけで、「MAPPAの作品なら見るよ」というような未来が訪れると良いですね。そのためには『この世界の片隅に』以外にも代表する映画を作っていってほしいですが。
もう一つ興味深かったのが、製作面です。
大抵のアニメは製作委員会方式を取り、エンドロールでは「製作:○○製作委員会」との名があるんだけど、『どろろ』は「製作:ツインエンジン」だけだった。
ツインエンジンはアニメのプロデュース会社です。『どろろ』で初めて知りました。製作委員会方式をとっているのかは分かりませんが、製作面を一企業が行ってくれるのは、非常に興味深い。
もちろんメリットもあればデメリットもあるので、何とも言えませんが、権利の面では間違いなく良い(楽)ですし、今後の展開がしやすくなる。
では本編の方を。
一番褒めたいのはキャスティングと演技指導です。誰も役者が浮いてない。全ての役者の演技に統一感がもたれている。演技の統一は作品を一個上のランクに上げる大きな要因の一つ。
映画監督だと西川美和の『永い言い訳』がそうで、特に誰かが秀でている演技をしている訳ではなく、下手でもなく、一人だけ浮いていたりすることもない。自然な演技に近づくと、現実味が増す。
演技指導はけっこうないがしろにされがちにな部分。ひどい演技をしていたとしても、それは監督もしくは音響監督が求めた演技。役者そのものの演技力や表現力にも左右されるけど、本当に演技指導が上手い人は素人でも上手に使う。
ディズニー・ピクサーのアニメを観ていても感じることが出来るところです。『トイ・ストーリー』は唐沢寿明、所ジョージ、最新作はチョコプラをキャスティングしていますけど、不満なんて聞かない。
『ズートピア』は主演が上戸綾で、サバンナ・高橋もキャスティングされてましたが、日本語吹き替えの演技指導をされてる方が相当上手いんでしょうね、『トイ・ストーリー』同様不満の声は聞きません。
是枝裕和が『誰も知らない』でタレントのYOUを起用したのは、バラエティ番組を見てて「いかにも育児放棄しそうなキャラクター」というこれだけの理由です。
『どろろ』は、近年のアニメではあまり見ない秀逸なキャスティングと演技指導でした。鈴木梨央は小林星蘭同様、大切にしたいきたい役者。
物語・作画については不満はないですし、めちゃくちゃ褒めたりはしないけど、良い出来だったと思います。
キャラクターも悪くはないけど、ほとんどのキャラクターが胡散臭いっていうのはある。「どうせコイツが黒幕じゃん」とか、そこはちょっとワンパターンに感じられたかな。もうちょっと協力する話があっても良いのに。
音楽も申し分ないけど、2クール目のOPについては不満しかない。時代劇だっていうのに、アジカンはそんなの関係ない曲を作ってきた。そりゃ、あんなオープニングムービーにもなるよ。本当に聞いてられなかったし、見ていられなかった。
1クール目はOP,ED共に良かったですね。他作品には無い『どろろ』の色が出てました。
オープニングムービーは絶対『トゥルー・ディテクティブ』の影響受けてる。
最終評価は 6 / 10点です。