ip さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
過去作にとらわれすぎ
今回の作品は概ね前作と同様ハッピーエンド。新海監督らしい余韻の残るエンドではなかった。今作では前作「君の名は。」の登場人物が要所要所で登場して隠しキャラとなっているが、作中で使用される言葉にも過去の作品の名残があるように思う。
純粋に作品の内容を考えると、思春期を抜けきれない少年のくだらない我儘が社会(東京)を崩壊させた。という印象を受けてしまう。
監督はこの作品の終り方には賛否両論あると言っていたが、そんな保険はどうでもいい。大衆にこびた前作よりはましだが、今回は前作のファン層を取り込む忖度された映画である。言の葉の庭以前からのファンはこのような作品を求めているのだろうか?儲ける為の作品を作ることを悪いとは言わないが、新海監督の良さが最近の作品では一層失われつつ有り、言葉もキャラも声優もradwimpsも使い回してしまっている今の現状を考え直して欲しいと私は願う。
小規模での上映から大衆向けの大規模上映に変わっていくことはファンとして願ってもない事だが、中高生以上の年齢層むけだった作品が全年齢対象のわかりやすい気持ちの良い作品に変わってしまったのは悲しいと言わざるを得ない。
この感想が願わくば監督の目に入ることを願いたい。