「荒ぶる季節の乙女どもよ。(TVアニメ動画)」

総合得点
79.9
感想・評価
606
棚に入れた
2270
ランキング
483
★★★★☆ 3.8 (606)
物語
3.8
作画
3.7
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

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ネタバレ

ゲリオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

マリー節全開アニメ

思春期の女子高生5人が「性」に翻弄される群像劇。
視聴前はノーマークだったが序盤は今期で最も楽めたアニメで次週が待ち遠しかった。
終盤の失速具合が気になったけど、中盤までは今期1~2を争う内容だった。
原作脚本を担当した岡田麿里さんの色が良くも悪くも全面に出た作品だったなと感じる。

まずは良かった点。
かなり下ネタが入ったテーマなのにしっかり青春ドラマに仕上がってるのが絶妙だった。
コメディタッチなのでエロさいやらしさは無いので女性視聴者にもお勧め。
メインキャラ5人が全員違った側面から性と向き合い悩んでいく様が面白い。
5人のストーリーがどれかに偏ることもなく配分も完璧で全員が魅力的なキャラに仕上がっていたと思う。
ギャグも適度に面白くニヤニヤさせられるシーンが多々あった。
作中とんでもなく悲惨な目に遭わされてしまう泉君という少年には同情の念を禁じ得ないw

残念だった点は冒頭に述べた終盤の失速具合。
主人公の和紗のお話としては第8話がピークに置かれていたこともあり、残りの話数は蛇足に近かったかも。せっかく綺麗にカップルになれたのに菅原氏の強引な割り込みによる三角関係突入は余計。
どうやらマリー作品はドロドロ展開を入れずにはいられない模様。
また、ラスエピ前の退学騒動と校舎籠城はさすがに唐突。
今時学校が男女交際禁止言い出すのはリアリティがなさすぎでしょうと、物語中盤までは高校生のリアルを追求してきたような作品なのに興覚めしてしまった。
最終話でそのお話が有耶無耶(?)というか無かった感じになったのには笑った。
原作時点で作品のまとめ方に迷った末のドタバタ展開だったのかもしれない。

キャスティングに関しては、主役の和紗を演じた河野ひよりさんは知らない方だったけどキャラクターに合う好演技だった。
ミステリアスな菅原氏を演じた安済知佳さんは本当に代えの利かない声優だと思う。
曽根崎先輩役の上坂さんはいつも角度がどーとか言われるけど、見た目だけじゃなくて実力のある人。
そして本郷先輩役の黒沢ともよ氏のマルチっぷりは言わずもがな…
もーちん役を担当した麻倉ももさん。人気はあるけど声優としての実績がイマイチだったが、本作では同姓愛に悩む少女役を見事にこなした。声優としての技量もちゃんとあるんだからもっとアニメ出ればいいのに。
あとオープニングは映像も含め文芸感あって非常に良い感じだった。

総合評価としては良作判定していいレベルのアニメだったのではないか。
声優さんたちの好演技のお陰でキャラ力の強い作品に仕上がった。
作画にもう少し安定感が欲しかったのと、終盤のストーリーがチグハグにっなたのが勿体なく、もっと名作になり得る可能性も十分にあった。
ただ、岡田マリー氏が描きたかった内容はきっとやりきった作品じゃないかなーと思われる。色々と印象に残るアニメでした。

投稿 : 2019/09/29
閲覧 : 198
サンキュー:

9

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