anime さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人間vs人形のバトルアクション
莫大な遺産を相続することとなった少年が、命を狙われているところを助けられるところから始まる。遺産を巡る骨肉の争いかと思いきや、数百年にもわたる古の錬金術師のおぞましい謀略が明らかになっていくというお話。
人間がマリオネット(操り人形)を駆使して意識をもったオートマタ(からくり人形)とバトルするっていうのがかなり独創的。
ストーリーも重厚。複雑数奇な経緯をたどって現在に至る描写は圧巻でした。
印象的だったのは、愛する女性を亡くしたけど、姿かたちが同じであれば人形でもかまわないっていう、常軌を逸した情念がベースになっているところ。ゆがんだ純愛の哀しさを感じると同時に言いようのない気味の悪さもあり、それが面白さを引き立てていたと思います。
あわせて、オートマタ人形の性(さが)とか本能みたいなものに思いを至らせて、ストーリーの中に組み込んでいくという発想も見事でした。
観てる方としては想像もつかない形で人形たちに怒りを覚えたり、ちょっと同情して切なくなったり・・と他の作品ではなかなか味わえないような心地になりました。
少々古さを感じてしまうキャラデザ・演出、安直な感じのするバトル展開が気にはなってしまいましたが、間違いなくこの作品ならではの空気感・趣のある素晴らしい力作だと思います。
本作のように、過去に完結した作品のアニメ化、どんどんやってほしいなと思います。