「センコロール(アニメ映画)」

総合得点
61.5
感想・評価
143
棚に入れた
733
ランキング
5378
★★★★☆ 3.6 (143)
物語
3.4
作画
3.8
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.6

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四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4
物語 : 2.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

厨二覚醒

劇場での鑑賞後、なるほど、と合点がいく点が幾つもあった。

もう10年前の作品ではあるが、
つまりこれは、
セカイ系=アンチ・ドラマツルギーのひとつの完成形なのだろう。

少数しか出てこないキャラクター(人物、怪獣)は、
多分に映画的ではない。
少なくとも、異常な状況に叩き込まれ追い詰められても、
そこには人間的なナマのリアクションとは全く違う姿があり、
演劇的な芝居とは異なる地平に立っている。

怪獣(=怪物?タコ?)についてのドラマ的な掘り下げは一切描かれない。

一方で、怪獣と係わる人間についても、
人物造形の深堀りも心理描写も驚くほど排除されている。

もう半世紀も前に原型の提示されていた
古典的なものとの乖離と、
スタニスラフスキー演技論の放棄が、
こういうかたちでたどり着いた「記号性=新しい可能性」が、
私たちの前に、
すでに披露され、
ファンを生み、
10年の時を越えて続編を従えて再度、目の前に現れてきてくれたという訳だ。
すでにセカイ系というコンセプト自体が、変容し、セルフパロディ化し、
アニメ表現の一手段として融合し切った今日にあって、
この試みをストレートに追求している本作が、続編と合わせて非常に興味深い。

まだ初々しかった花澤香菜の演技が、
時折ぶっ飛び切れずに、メソッド演技的になってしまう違和感が、
ちょっとだけ微笑ましかった。

投稿 : 2019/07/29
閲覧 : 395
サンキュー:

16

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