ヒロウミ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ノーマルで非ヲタなマジョリティには同姓との接触で赤面は疑問でしかなく
【初投稿】2019/7/29
惜しい、非常に惜しい物語。萌え要素と突飛な謎展開が邪魔する青春グラフィティ。
(1期&2期総評)
知人からは散々薦めてもらっていたが色んなかたのレビューを見るたび腰が引けてしまい遠ざかっていたこの作品。もうじきアニメに割く時間が劇的に減るので覚悟を決めてやっと視聴することができました。
演奏シーンの作画はやはり見入るものがある。体の一つ一つが演奏に沿って動く細やかさとキャラクターの感情が手に取るように分かる描写はやはり素晴らしい。丁寧に描かれた背景、飲水シーンなんて水が水らしく体に吸い込まれているように思えた。
物語も思ったより現実的で特に物語序盤の課題曲を皆のベクトルが合わさったときに奏でている様はオッサン心を鷲掴みにし、これは苦手な弱百合描写も部活物もクリアできる!と思った。
が、そうは問屋が卸さなかった。スポコン系作品というのは現実世界にある競技がモデルになるケースがほとんどだと思うがその比較的リアルな物語に必要であるプロセスの欠如が大半を占める。それがリアル感というか臨場感、努力している様子の後の結果に感銘を受けるか否かに直結してしまい全く面白みを感じれない作品が多い。特に合理的な練習がないこの手の部活はアホみたいに費やす時間、血反吐を吐くぐらいの労力が無い。この作品では1期中盤以降その様子はほぼなくなるのだが県予選、関西大会を難なく突破。なんでやねん?という疑問は2期1話までお預けで理由がぽっとつけたような・・・。
競技の結果というのはもっとテクニカルな要素でこそ技術と結果の昇華があるのだがアニメってそういうのほぼ無いですよね。でも基本的に人間関係をこじらせ物語に厚みを持たせようとするものが多い。それって本当にスポコンなのだろうか?競技は現実世界にあるのに現実味にかける物語の矛盾は喉にトゲを残す。フィクションなのは万も承知、リアルなんて求めてない、けどそんな簡単なものでもないだろう。
更にはその人間関係のいざこざが上手くハマらなかったってのもかなり大きかった。この作品を楽しむうえでかなり重要な箇所なのだが見事なまでに綺麗に全くハマらなかった。
1期11話で推していた先輩が負けて泣いてしまう優子にドン引き。散々引っ掻き回し噂の元凶ともなり部全体に多大な影響をもたらせながら泣くのか・・・。しかもアニメあるあるの「私は悪いとは思わない」って、いや、あなたは先輩に恥かかせてるやん、陥れてごめんなさいやろ?1期最終回これ引きずってぶっ壊しやん。
2期のみぞれのトラウマ軽っ。ゲロ吐くほどの心の傷ってそんな簡単に治るんかい!医者要らずやん、ショック療法して一発終了やんけ!アニメのPTSD簡単に治りすぎやろ、ありえんわ!関西大会の無感動返さんかいワレェ!
麗奈のストーカー体質というかヤンデレ体質っていうかヤバ過ぎてぞっとするよ。本人に了承も同行も得ずに他人の死んだ奥さんの墓参りとかヤバすぎだろ・・・。ってか最初の百合描写何なん?
すっごく苦手な微百合な部活作品でも本当に序盤は良かったんですよ、サファイアが出た時点で色物枠があるのは何となく予想はしたけど思いのほか麗奈の設定が無駄というか過剰とも思える箇所が多々ありいまいち乗り切れなかった。1期のみんなのベクトルが徐々に合わさっていく様子や2期後半のあすかの困難の克服や久美子と姉の関係の成長や滝先生の立ち位置やお芝居は本当に良かったんだけどな。
上記3点重要項目が見事にハズレてしまい他の良質な物語を見事にかき消してしまった。序盤の「愛してる」もいらんわ、こんにゃろ!
それでもきっちり完走できたのは間違いなく「京アニクオリティ」であるだろう。今回は音楽系作品なのでスマホ&イヤフォンで視聴したが演奏シーンはたまらんし絵は本当に丁寧で間違いなく良作以上の作品。グダグダ書いているけど結局は久美子の成長していく姿は楽しみだし秀一との関係も楽しみだし。総集編を除いた劇場版作品見ますよー!ってフィナーレのレンタルまだやんけー!
しかし京アニはそろそろ非オタ向けの普通の作品をもっと出してもいいのではないだろうか?聲の形みたいなやつを。もっと大きく羽ばたいてほしい、こういう作品を見るとつくづくそう思う。