shino さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
さくやこのはな
原作末次由紀、制作マッドハウス。
競技かるたを題材とした少女たちの青春群像。
自己実現の物語さえも資本として消費され、
一生懸命さがどこか空回りする時代に、
かるたという文化を通じて成長する少年少女。
青春の普遍的なものがよく表現されている。
それは夢中になること、躍動すること。
青春群像としては最高峰の頂に近い。
競技かるたに懸ける彼女たちの葛藤からは、
その息遣いまでリアリティを持ち、
夢に向かい歩み続けるその姿に感動する。
自分より泣いてくれる人がいる、
それは青春の特権でもあるのでしょう。
さりげなく人生を導く大人たちと、
{netabare}個性溢れる幾多のライバルたちに恵まれ、
練習→団体戦→個人戦の構成に加え、
恋愛が物語にそっと寄り添い描かれている。
その物語の躍動感に心が揺さぶられる。{/netabare}
ピーク点を複数持つのが強みなのでしょう。
これはユーフォニアムに似ている。
キャラクターの方言にまで魅力が溢れている。
競技かるたの魅力も伝わります。
呼吸のリズム、言葉が音になる瞬間、
音の一歩先に集中し五感を研ぎ澄ませる。
ちはやは宝物を見つけたのでしょうか。
それにしてもまっすぐで美しい少女である。
若宮詩暢も素晴らしいキャラクターだ。
こんな青春群像ならいつでも歓迎だ。
ほんとに楽しめる素敵な贈り物でした。