退会済のユーザー さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
管楽器の魅力が伝わる凄い作品
遅まきながら初視聴です。
詳しい情報を一切持た無かったために結果的に順序が逆になってしまいましたが、とても感動した
『リズと青い鳥』の視聴後ということで、この作品は期待を持って拝見させてもらいました。
金管楽器の中では比較的入りやすい『ユーフォニアム』をメインに仕立てるあたりは、少なからず
この作品を見て吹奏楽を目指す人がいると考えると、とても良い設定だと率直に思いました。でも
『ユーフォニウム』ではなくて『ユーフォニアム』なんですね。調べると間違いでは無く、どちら
も正しいようです。制作側もその辺は認識していたようで、敢えてそうしたとのことですが、今は
そう呼ぶ方が多いのかも知れませんね。まあどうでもいい話で恐縮です。
弱小吹奏楽部が全国大会を目指すという王道の設定背景ですが、視聴を通して感じたのは、苦しむ
姿をあまり多く描いていないということでした。むしろ明るく、そして真剣に演奏に励みながら、
しっかりと成長をしていく姿を見せていく辺りは、あまり物語を難しく考えさせず、見る者に爽快
な達成感だけを残す上手い作り方だと思います。この辺りが不動の人気を支えている気がします。
当然、各キャラクターは個性がハッキリしていてとても好印象でしたが、特に魅力的に映ったのは、
やはり滝先生の存在です。見た目の印象はさておき、曖昧な姿勢の彼女らにしっかりとした目標を
持たせ、駄目なところはバッサリ切り捨てるやり方。動揺を隠せない部員の非難にも全く動じず、
しかし良い演奏はしっかりと褒める。回を進める毎に部員達が信頼し「もっと上手くなりたい」と
いう気持ちに変わっていく姿は感動すら覚えます。こういう先生、僕は好きです。
楽器の音への拘りも凄みを感じるところです。録音には基本プロを起用するのは当たり前として、
下手な演奏の使い方がとても上手い。時折上手い演奏を織り交ぜることで現実味が増して、非常に
リアルに感じます。物凄く凝った演出だと思いました。
ラストのコンクールの描き方は特に印象的で、自分自身と戦う真剣な演奏を非常に良く捉えていて、
まるで実写を見ているかのようなアングルと臨場感溢れる演出に正直驚きました。演奏が終わった
後に見せた滝先生の流す汗に達成感を強く感じます。吹奏楽の良さが伝わる迫力ある演奏でした。
とにかく次を見たくなる非常にいい作品でした。人気があるのも頷けます。
二期はこれから見ることになりますが、願わくは、恋愛はこの程度で進展を描かないで欲しいなと
いうのが正直なところ。純粋に彼女らの演奏に対する情熱と成長の過程だけを楽しみたい。
そんな気持ちです。