勅使河原 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
見る歳で感想が変わった
中1の時に初めてけいおんを見て、なんだか話の展開がなくて退屈だなと思いました。
楽器に対してこんな舐めた姿勢で上達するはずもないし、リアリティが著しく欠如していると批判的に見ていました。
その時は何気ない日常の尊さも美少女キャラに対する愛おしさも皆無だったので仕方の無いことでした。
当時の私だったらおそらくオール★2で評価してたと思います。
しかし成長して大人になり、若い時(今も十分に若いのですが笑)は感じていなかった疲労感や孤独感、憂鬱さに苛まれる日々を送るようになってから改めて見直してみると、心が癒されていくのを感じました。
屈折した自分に比べて作中の彼女たちは自分の素直な心に従って伸び伸びと日常を楽しんでいる。
それを見ているだけで、難しく考えなくて良いんだよと優しく諭され抱擁されているようでした。
この作品は誰しもが大人になって置き去りにしてしまう何かを思い出させてくれるのではないでしょうか。
もし今このアニメを見て、退屈だとかリアリティがないだとか思った方々は、ぜひとも数年後に見直してみて欲しい。
作品の見え方が変わるかもしれません。