oxPGx85958 さんの感想・評価
2.1
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 1.5
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
最初からアニメ化を投げていた?
『ひぐらしのなく頃に』からの流れで見てみました。
細かい内容を知らなかったので、話の導入部からメタフィクション的な展開に移ったときには驚くと同時に大いに期待したのですが、驚きも期待もそのときがピークでした。
アニメ版を最後まで見て意味がわからなかったので、マンガ版に手を出したのですが、それでも意味がよくわからず、ネット上にあった解説を読んで初めてこれが何を意図している作品なのかを理解し(たように思え)ました。
これは1990年代頃の「新本格推理」と呼ばれるジャンルからの派生物ですね。『ひぐらしのなく頃に』もそうなんだろうけど、いままで気づいていませんでした。
本作の、そのようなメタフィクションとしての出来については賛否両論あるようです。私はよくわからないというか、たぶん原作のゲームをプレイしないと真の意味で本作を体験したとは言えないんだろうな、と思っています。
このアニメについては、明らかに「アニメ化に失敗した原作付き作品」でした。物語に少しでも説得力を持たせるためには、この倍の時間はかけなくてはならなかったでしょう。でもそれをやったら、完結までに4クールが必要ともなりかねず、それだけの資源を費やすに値する原作なのか、という問題が出てきます。この点で、本作は『ひぐらしのなく頃に』ほどの価値はないという判断がなされたのでしょう。
具体的な演出の方針についても計算違いがあったように思います。『ひぐらしのなく頃に』では、大げさなアニメ的演出・演技が物語に組み込まれて効果を発揮していたのに対し、より深刻な舞台設定になっている本作では、そのような演出・演技が物語を安っぽく見せる方向に働いていました。
ただそういった点を度外視しても、本作は最初から1クールのアニメ・シリーズとしえまともに成立させることを諦めていたとしか思えない作りでした。原作のファンは激怒したんでしょうね。