稲葉姫子 さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:----
素敵なアニメですが、矛盾は矛盾です
まず、他の方のレビューを一切見ないで書きますので、類似やそっくりがあってもご容赦ください。
日曜日にアマゾンで一気に視聴いたしました。
大変面白く、時間の経過を忘れて見入りました。
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「81,920時間の耐用期間(耐用年数約9年4ヶ月)を超えると人格や記憶が壊れ出すため、法律により期限前の回収が義務付けられている」
という骨格があるためにストーリー展開は誰でも予想できるものです。最初は距離感にある2人(水柿ツカサとアイラ)が、お互いの相互理解を通して人間関係を構築していき、それが愛情にかわり、そして運命の日(きっと美しく悲しい)を迎えるーという流れをです。
それはもちろん当たりました。
この王道のようなプロットはいいのです。キャラの設定も問題ありません。問題は致命的な矛盾です。
致命的な矛盾
耐用期間を超えると人格や記憶が壊れ出す、でもその形式的な体である人体は使いまわすということに尽きます。普通は逆でしょう。メモリーチップ(頭脳)は永遠であり、体が永遠でないものなんです。攻殻機動隊ではありませんが、体は義体なんです。もちろん、この矛盾がないとこの物語は成り立ちません。仕方ないとはいえ、矛盾は矛盾として残るのです。
それから些細なことですが、脚本が細部に甘い気がします。
例えば、伍堂シンヤという部長が第1ターミナルサービスの運営に苦言を呈していて課長に改善を求めていますが、具体的に何もアクションを起こしていません。第1ターミナルサービス全体の試練とそれを打破するシナリオがあってしかるべきではないかと思いました。
矛盾等を書きましたが、心温まるアニメだったことには違いありません。