きつねりす さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ギリギリで生きる人の姿が胸熱
妹を見捨てた罪の意識から燃やす復讐の炎は、いつしか一人の少女を守るという思いにすり替わっていた。
愛の対象が家族から外の人間へと移り変わるという至極全うな成長を遂げる様を、ダイナミックな時代背景をバックに描いた作品だと思います。ギリギリのところで生きる人々の生への執着、反面、カバネリとなった瞬間に疎むべきものとして容赦なく殺したり、迷惑をかけまいと自ら命を絶つ姿はやはり酷以外の何物でもありません。そんな「命を懸けて」という言葉が真に響く世界の中で、「誇れる自分になる」と意気込み、思いをぶつけ、時には挫けながらもがく主人公の姿にいつしか感情移入してしまっている自分がいました。喜怒哀楽が激しく表現されるので若干暑苦しさも感じるほどですが、そこは作風に見事にあっていると感じます。
人が亡くなることを「蝶に呼ばれる」という表現をしてて、そこは綺麗な表現だなと感心しましたし、ヒロイン・無名の心象風景で蝶が象徴的に描かれているのも日本らしく儚げな印象を持ち、絵のタッチとの親和度もいいな~と思いました。昔の日本を舞台にしている中で、近代的な兵器や甲鉄城が幅を利かせるという一見無茶苦茶なように思える組み合わせを可能にするところがやっぱりアニメの良いところだと思います。良作。