「キャロル&チューズデイ(TVアニメ動画)」

総合得点
75.6
感想・評価
395
棚に入れた
1295
ランキング
793
★★★★☆ 3.7 (395)
物語
3.4
作画
3.8
声優
3.7
音楽
4.0
キャラ
3.6

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ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

すんごい長大でクオリティ高い、プロモーションビデオ(笑)

[文量→大盛り・内容→感想系]

【総括】
「アニメのために歌があるんじゃねぇ、歌のためにアニメがあるんだ!」

とまあ、そんなアニメです(笑)

序盤、最高でした。

そのまま、「赤尾でこ」さんが、シリーズ構成を務め、序盤の作風を貫いていれば、名作になったかもしれないと思いました。惜しい。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
もったいないな~。もっと地味に丁寧に美しく作れば良かったのに。

ようは、1話目、2話目、5話目みたいな路線。

歌も映像もキャラも良いのだから、二人の友情と夢の実現を、ちゃんと丁寧に描写するだけで良かった。

キャロルとチューズデイが橋の上で出逢い、心を通わせ、1つ曲が生まれた時、確かな感動があった。

それ以上、何が必要だったの?

3話目からのコメディタッチの作風は、マジでぶち壊し。4話もとことん安っぽい。

気になる脚本を見てみると、

3話目(ガスゴールドマンとの出会い)は「かぐや様は告らせたい」で構成を務めた、「中西やすひこ」さん。かぐや様ではハマった軽快なコントが、本作ではややスベっていた。

4話目(MV回)は「王室教師ハイネ」で構成を務めた、「うえのきみこ」さん。なんか、経験不足というか、あってもなくてもどうでも良い回だった。

6話目(フェス回)は、迷作、「コメット・ルシファー」の原案、構成を務めた「野村祐一」さん。視聴者に何も伝わらない唐突さは、コメット・ルシファーと同様。

そして、、、

1話目(二人の出会い)と2話目(ステージジャックで歌詞つきの歌を披露)、5話目(初ライブ)は、「赤髪の白雪姫」「あまんちゅ」「ふらいんぐうぃっち」などの構成を務め、穏やかで優しい物語を得意とする「赤尾でこ」さん。

以上が脚本を手掛けたメンバー。はっきりいって、「赤尾でこ」さんが手掛けた話だけ、レベルが違う。

勿論、シリーズ構成がいなくても監督はいるわけだから、「こんな話をこの脚本家にやってもらおう」ということで、でこ さんに合う話(つまり良い話)を当てたのかなと思うんだけど、にしてもな。

でこ さんが手掛けた、上記の話のような作風以外は、ほとんどいらない。無駄なPV回とか入れるくらいなら、例えば「バイトを頑張ったり、ご近所付き合いをするチューズデイ(日常回)」とか、「気晴らしにどこか遊びに行き、心を通わす二人(デート回)」とかを入れた方が大分マシ。

(前期のOPみたいな)路上ライブでちょっとずつファンが増えたり、新たな出会いがあって、それが小さな仕事に繋がっていったりさ。そういうのを観たかった。

コネによるフェス出演やオーディション番組でお手軽にドラマを盛り上げるより、やるべきことがたくさんあったような気がする。サクセスストーリーを真面目にやるべきだった。

オーディション番組編も、冗長。

私は基本的に、サブキャラを深める展開は好きなんだけど、本作はやりすぎ。出てくるキャラが全部濃くて、歌が上手くて、キャロルアンドチューズデイの凄さが薄れる。

例えば、他の出場者はダイジェストにしたり、お笑いやマジック、一発芸みたいなのにしてみたりする。歌をガッツリ魅せるのはアンジェラだけ。その方が対立軸がハッキリして分かりやすくなっただろうに。

また、曲自体も歌声も(私が洋楽聞き慣れないからかもしれないんだけど)全部綺麗にまとまり過ぎていて、心に残らなかった。なんなら、ファイヤー兄弟やオカマシスターズくらいのイロモノの方が、印象に残った。皆がちゃんと上手いだけに、「なぜ、キャロルアンドチューズデイが奇跡なのか」が分かりにくくなっただけだと思う。

12話はまあ、前半のラストとしては、綺麗にまとめていたと思う。落とし処としては、妥当かな。

クールをまたいで13話目からは、少し良くなった。

サクセスストーリーが、楽しい。それで良い。

でも、(まあ2クールだから仕方ないけど)様々な問題提起を入れて盛り上げようとしてきた。移民問題、AIの進化、表現の自由。チューズデイが白人の富裕層、キャロルが黒人の貧困層にしているのも、勿論、メッセージだし。

ただ、この辺の問題提起はかなり渋滞していて、焦点がボケた。大体、このうち1つでさえ、世界は答えを出せないでいるのに、1アニメがね、ちょっと欲張りすぎかな。移民問題か、表現の自由に絞って良かった気がする。

ただ、ラストのWe Are The World展開は悪くない。

ようやく、キャロチューらしい展開。歌が自然と生まれ来る23話は、やはり でこさんが担当。

そして最終回は、「潔さ」が際立つ。

このアニメの良さである「歌」をガッツリ魅せる、「歌の力を信じた」構成に拍手。Cパートをやらないのも、蛇足にならず良かった。潔い。上記の問題提起は、結局全て丸投げなのだが、中途半端に答えを出すよりは、問いかけて終わるのもまた、ありかもしれない。

最終回に、文句はない。この最終回をやりたいがために、このアニメを作ったんだろうなと感じた。

惜しむらくは、(私は基本、1クールアニメより2クールアニメの方が好きだけど)このアニメは1クールの方が生きただろうということ。無駄なギャグ回やサブキャラの歌を外し、キャロチューのドラマだけに絞って、13話かけてこのラストにたどり着ければ、もっと評価されたと思います。

大事なことなので、もう一度言います。

生まれも育ちも違う、素敵な二人が出会い、心を通わせ、素晴らしい歌が生まれる、感動。

それ以外に、何が必要だったの?
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆5
二人の出逢い。丁寧にストーリーを重ねながら、少しずつ曲になっていく過程は素晴らしく、歌も映像も美しい。二人の微妙な距離感も上手く描けている。アニオリとしては、かなり完成度が高い1話目!

2話目 ☆4
OPもいいな、オサレで作風に合ってる。ドジっ子属性(笑) ドマチックで、素敵だな。バズるわな~、これは。検索が現代的だな、未来なのに(笑) 赤尾でこ さんの脚本、やっぱり好きだな~。EDも素敵。

3話目 ☆3
曲は素敵だけど、ちょい多すぎかな? なんか、コメディタッチになって、急に安っぽくなったな。

4話目 ☆2
もっと普通に作れば良いのにな。MV、斬新だな(笑) 逆に話題になるんじゃない?(苦笑)

5話目 ☆4
いや、だからこの路線で良いやん。ストーリーを重ねて、歌で人の心を動かして、少しずつ前に進んでいく。マジで変なことしなくて良いのに。

6話目 ☆2
誰やねん、って感じだな(苦笑) ゲストキャラがゲスト過ぎて、全く感情移入が出来ない。いくらなんでも、こんなフェス、代理すらこないだろ、新人に。

7話目 ☆3
川辺のシーンは良かったかな。あんなんが好み。

8話目 ☆2
オーディション。なんとなくお手軽感だし、曲自体も、前の2曲の方が好き。

9話目 ☆2
他の歌手の曲とか、いらんな。キャロチューの歌が薄れるし、尺の無駄。歌だけじゃなく、お笑いとかも入れてけば良かったのに。歌わせるのは、アンジェラくらいで良いでしょ。

10話目 ☆2
ここで、勘? それやるなら、最終回でしょ。

11話目 ☆3
こういう嫌な盛り上げ方でなく、楽しい盛り上げをしてほしいかな。

12話目 ☆3
かなり綺麗にまとめたね。二組の曲がリンクしていたのは、良かった。

13話目 ☆3
キャロチューが、インディーズでやっていくのは、らしいし、メジャーとの対比が見られるな。顔芸がなかなか良かったw 火星移民話は、後々なんかあるだろうね。

14話目 ☆3
ダンの話は、わりと早く決着ついたな。こういう地味な展開がよく似合う。

15話目 ☆2
LGBT、難民、AI、経済、政治的な問題提起が様々ある。なんか、不思議な回だった。特に面白いとは思わなかったけれど。

16話目 ☆3
ガスのために歌った曲って感じで、ストーリーに合っていて良かったな。

17話目 ☆4
金の切れ目が縁の切れ目。仮想通貨、AIが投資金を持ち逃げ。「アンジェラを貸そう」は、少し吹いたw この作品のギャグ回で初めて面白かった気がするw

18話目 ☆3
チューズデイの切ない恋の話。表情がとても丁寧に描かれていた。

19話目 ☆4
歌って、何だろう。何が、人の心を打つんだろう。そういう問いかけが、アニメーションというより、歌声そのもので成されるのは、このアニメらしい。座って歌う演出、好きでした。

20話目 ☆3
ヒップホップは、なかなか聴けたな~。アンジェラ、良いゲームがあるよ? 母親がチートになっちゃうけど(笑)

21話目 ☆3
刑務所からのPV、格好良いな。しかも、キャロルを(聖なる)歌ともとれるところがニクイ。でも、どうやって曲つけたんだよ(苦笑) CDでは直すとしても、アニメでは、その辺にあるの叩いてリズムだけ作って、あとはアカペラの方が、格好よかった気がする。

22話目 ☆3
アンジーママ、死んだか、、、。アーディガン、素敵やないかい(笑) 最後、なかなか引き付けるな。

23話目 ☆4
言論統制、移民政策と、黒人への差別がごちゃまぜになって、焦点がぼやけている印象。We Are The World? そうそう、こういう曲のできかたが、キャロチューだよね。優しい時間の流れ方と、展開。やはり、でこ さんか。

24話目 ☆5
大家さん、素敵。全員集合の流れは、熱い。カッケェナ、お母さん♪ カメラを止めるな(笑) 良いラストだと思う。歌をガッカリと魅せる、本作らしさ。余計なCパートを作らず、歌で終わる潔さ。この最終回をやりたいためのアニメだったな。
{/netabare}

投稿 : 2019/10/21
閲覧 : 368
サンキュー:

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