「PSYCHO-PASS サイコパス(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
5600
棚に入れた
26472
ランキング
61
★★★★★ 4.1 (5600)
物語
4.3
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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勅使河原 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

尻すぼみ感は否めないが、十分良作

色んな方々のレビューを読むと何やら西洋の思想家たちの引用があって、考察する人たちはやっぱ頭いいなーなんて思ったり。
学のない私が考察をしても見苦しいだけだから、ここは素直なレビューをしたい。


【ストーリーについて】
1話を見終わって、どうやらとんでもなく面白いアニメを見始めてしまったようだと思った。
1クール目までは、1話1話のストーリーの完成度が高く見終わったあとは必ず面白いと思えた。
全体を俯瞰しても、緻密に練られた脚本で無駄がなくて美しい。
一体脚本は誰なんだろうと調べたら虚淵玄の名前が出てきて納得した。

しかし2クール目に入り哲学的なテーマが織り交ぜられたことで、それまで良いテンポで進んでいたのに突如失速したように感じた。
かなり早い段階でラスボスがわかっていたのも間延びしていると感じた原因かもしれない。


【キャラについて】
この作品ではあまりキャラの魅力を重視してないように思える。
この中で好きなキャラは誰かと問われても、答えに窮するばかりだ。
あと、こういうアニメあるあるなのだが、なんで敵キャラは人生とかをゲームとして考えたがるのだろう。



【気になったことについて】
作中にはやたらと本や西洋の哲学者が登場する。
これは必要なのだろうか甚だ疑問だ。
おそらく視聴者が考察する際に参考にして欲しいから忍ばせてるのかもしれないが、わざわざ会話の中に登場させるほど重要であるとは思えない。
こういう所が中二アニメと呼ばれる所以だろう。
作品のバックグラウンドを伝えるならもっと別の場所でやればいいと思う。

【総評】
脚本は完璧な出来とは言えないにしても、非常に深みを持っている。
中二病患者だけでなく、少年の心を忘れない男性でも楽しめるのではないか。
十分良作と言える作品である。

※追記

このような監視社会をテーマにしたものはオーウェルの『1984年』がしばしば引き合いに出される。
社会を統治するひとつの機関に絶対的な信頼を置くことに疑問を投げかける、というテーマも本作品には含まれているので、安部公房の『第四間氷期』も参考に読んでみると良いかもしれない。

投稿 : 2019/09/16
閲覧 : 299
サンキュー:

8

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