ヒロウミ さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
青春の余命1年は儚いつぼみ、それは華となり種子となり新たなやり直しの若葉となる。
【1期&完結編総評】
あなたなら何をしたい?何ができる?何をする?夢見心地の現実逃避。
約Lv30で高校生をやり直すチート染みた設定でありながら特に秀でた能力もなく時間が育む経験と関係で構築される感情がとても心地良い物語。
大きくエグるような展開でもなければ不用意に誰かを殺すこともなく超展開もない。少なからずある「青春時代に~しとけば良かったな」という部分のくすぐりかたが秀逸な物語は多くの人にバーナム効果をもたらしただろう。
ただ11話についてはいただけない。歴史の偉人でもない面識のない人の墓参りするなんてかなり飛んでる。主人公のトラウマに対する植え付けと克服のためなのだろうが安易すぎたものだった。あと1話のとあるキャラクターのセリフ一つで13話の落ちがバレバレってのもちょっとどーなのさ?
それでも完結編の収まりがとても心地良く様々な感情をもたらしてくれ久しぶりに感情が揺さぶられるのを感じることができた。そして全体を通して過不足なくまとめられた構成は見事なものでした。
中の人たちの日常会話の演技も収まりが良く、キャラ萌え作品には無い一面を垣間見ることもできた。それに合った劇中音楽も下手な主張をすることなくゆったりと流れる空間を感じることができた。が、バリエーションがとても少なくもう少し工夫があっても良かったのかもしれない。
まぁ懐メロEDしとけばメインターゲットの30代は簡単に釣れるだろうけど。んでもEDアニメがドハズレなのはすんごいチープ。
作画も悪くはないが良いわけでもなくバトルものでもないから激しい動作が無い割に時折不自然な体の動きをするし感情芝居の最中に頻発されたデフォルメ描写は場違いが甚だしく全モブも手抜き作画。こればっかりは制作会社の地力の問題なのだろうが他の面がとてもバランスが良いだけにめっちゃ勿体ない部分。
これじゃあ狭い世界での話題作にしかならずとてもじゃないが売れることはあり得ない。
「聲の形」と「君の名は」の要素が見事なまでに丸被りでしかも公開はほぼ同時期。どっちが先なの!?と邪推してしまったが当時は話題にすらならなかったのだろう。それは皮肉なものでトゲの無いテーマの作品だからこそ飛び抜けたものがなければ杭にもならず凡作としての立ち位置になってしまったのかもしれない。
対魔導学園の「鳳桜花」では大外れな上田麗奈さんはやっぱ「だんないよ~」な声がたまりませんわ\(^o^)/