たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「SF」として面白い
アメリカのSF作家リチャード・マシスンの「地球最後の男」やイギリスのSFの母ことメアリーシェリーの「最後の人間」に通じる世紀末後の世界を舞台に、人類とは文明とはなんだったのかということを「妖精さん」こと可愛らしいマスコットキャラクターを据えて語りかけてくる。田中ロミオ原作のライトノベルのアニメです。
田中ロミオさんはもともとアダルトゲームのライターだったらしいですが、いやなかなかSFの素養がある方らしく、非常にシニカルながらもコミカルさを保った「人間て面白いよね」といったキッチュな出来のアニメだと思いました。
海外SFもそうですが、日本で言えば芦奈野ひとし原作の「ヨコハマ買い出し紀行」にかなり影響を受けている気がします。
やはり人類が衰退しつつある世紀末的な雰囲気と牧歌的な日常が同時進行しているアニメですが、実は根底に有る考え方は人間に対する不信や諦観であり、皮肉を交えていることも作品を象っている特徴だと言えるでしょう。
人間の生活は傍から見るとこうもバカバカしくたわいもない宇宙のほんの一部のできごとに過ぎないのです。
神の視点から見た「箱庭」的アニメ。