Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
お前は何を守る。そこには何が残る…。
P.A.WORKSさん十八番のオリジナルアニメ…
ここまでハードな戦闘モノは「クロムクロ」以来でしょうか?
アニメーション制作がP.A.WORKSさんであることに加え、市ノ瀬さんが主役を演じるとあっては見逃すことはできません。
私にとって2019年春アニメの中でもトップクラスで視聴を待ち望んでいた作品でした。
かつて妖精は、”兵器”だった…。
この世界には、動物に憑依することで不思議な力を宿す妖精が存在していた。
妖精が憑依した動物の臓器を摘出し、人間に移植することで、妖精を分身として出現させ、
兵器として扱えるようになる。
妖精を戦争の道具として自在に操る兵士たち、彼らは「妖精兵」と呼ばれた。
だが、長きに渡る戦争が終結すると、彼らはその役目を果たし、行き場を失ってしまう。
あるものは政府に、あるものはマフィアに、あるものはテロリストに、
それぞれの生きる道を選択していった。
戦争から9年の歳月が経つ。
未だ不安定な政治情勢の中、戦争によって受けた傷や過去を持つ犯罪者が現れ、
復讐のためにテロを起こすようになっていた。
主人公の少女マーリヤは、ある事件に関わった事から妖精に関連する事件を捜査・鎮圧する
違法妖精取締機関「ドロテア」に入隊することになる。
これは無秩序な戦後に抗い、それぞれの正義を求めて戦う「妖精兵」たちの物語…。
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
とても重いテーマを取り扱う作品だと思います。
戦争中、妖精兵はきっともてはやされたことでしょう…
好き好んで動物の臓器を自身の体内に取り込んだ人ばかりじゃないと思います。
ですが、戦争が終わってしまうと途端に無用の長物に成り下がってしまう…
妖精兵になるために、取返しのつかない代償を払ったというのに…
掌を返したように、人々が離れていく…
だから、妖精兵にとっての戦争は終わっていないんです。
終わったと認めちゃ…きっと駄目なんです。
そこで認めたら、自身の存在意義を自ら放棄することになってしまうから…
勿論、全ての妖精兵がそうではありません。
それぞれの生きる道を選択できた人も大勢いるんだと思います。
でも、それは全てじゃない…
既定路線に乗れない人だっているんです。
この問題って、私たちにとっても身近なことではないでしょうか。
例えば、プロ野球選手やアイドルなどが分かりやすいと思います。
全盛期は、沢山の喝采の中で飛ぶ鳥を落とす勢い…
ですが、そんな時代はずっと続かないことを私たちは知っています。
今ではその名前を聞くこともなくなった人たちって、今どうしているんだろう…
時折、テレビなどでも取り上げられますが、そこでスポットライトを浴びるのはごく一握りの人たちだけ…
この戦いは戦争によって引き起こされた産物であり、自分たちの行動の結果であるということ…
だから人間が真正面で受け止めなきゃいけない物語なんだと思います。
…少し暗い気持ちになってしまったので、話題を変えたいと思います^^;
本作品の音楽プロデューサーは(K)NoW_NAMEさん…
2016年1月に放送された「灰と幻想のグリムガル」の音楽を手掛けられたユニットです。
特徴的なのはオープニング、エンディングに加え、ふんだんに楽曲が使われていること…
本作品では、何と10曲もの挿入歌が使われているのですから驚きです。
それと、声優さんにも少し…
今回、「チマ」というリスみたいな動物が登場します。
学術名を「チェシュカマティカーナ」というとても珍しい動物で、妖精の匂いを嗅ぎ分けることができるんだそうですが、このチマを演じていたのが古賀葵さんです。
「かぐや様は告らせたい」で「おかわいいこと…」が口癖の四宮かぐやを演じた声優さんです。
古賀さんがTwitterでチマ役を演じることを視聴前に発信していたのを見ていたので、チマが古賀さんにしか見えませんでした^^;
私にとって鳴き声も、小動物特有の可愛らしい仕草も抜群な生き物でした。
一方、物語の方は正直続きを見ないと何とも言えないのが本音です。
マーリヤはドロテアに入って沢山の大切を手にすることができました。
勿論、前に進むことが痛みを伴うことを身をもって知ったと思います。
でも、難しいのはこの物語の落としどころだと思います。
きっとそれで作品の印象がガラリと変わってしまうから…
市ノ瀬さんの演技が光るこの作品…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、「KNOCK on the CORE」
エンディングテーマは、「Ash-like Snow」
どちらも格好良い曲でしたが、個人的にはエンディングの方が好みでした。
1クール全12話の物語でした。
物語の評価は、10月に放送される第2クールを見てからでしょう…
でも、流石P.A.WORKSさん…
作画が高いレベルで安定していましたし、キャラデザも申し分ありませんでした。
引き続き、第2クールの放送を楽しみにしています。