STONE さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
自己投影して自分も癒されるみたいな
原作は未読。
作中の状況は「小林さんちのメイドラゴン」に近いものがあるが、あちらがキャラの関係性を
基盤とするコメディドラマの色合いが強いのに対して、本作は主人公である中野 玄人に対する
癒し部分に重きを置いた感じ。
そういうことで、この作品に関してはあまり面白い、つまらないといった観点では
観ていなかった。
実際、話が特に動くわけでもないし、ジャンル的にはコメディの範疇に入るのだろうが、
笑うためのネタ的なものも少ないし。
自分自身は中野 玄人に自己投影して、仙狐さんとの生活を疑似体験するような感じで
観ていたが、これが仙狐さんの癒しパワーが強力なこともあって、かなりやられた感じ。
Cパートのスーパー仙狐さんタイムの存在を考えてもこの視聴方法は間違っていないような
気が。
自分も中野と同じくIT業界の人間で、幸いなことに勤め先はブラック企業ではなく(笑)、更に
現在はいわゆる開発業務をやっておらず、業務スケジュールもシビアではないこともあって、割と
のんびりしたものだが、それでも以前は修羅場の中、心身をすり減らすような時期もあった。
そんな時期に本作を視聴していたら、癒しを通り越して泣いてしまったんじゃないかと。
本作放映後に登場した「社畜さんは幼女幽霊に癒されたい。」、「デキる猫は今日も憂鬱」
などはコンセプト的に似た部分があり、こういった系統の作品は疲れた社会人には一定需要が
あるのかな?という感が。
中野の勤務する会社はいわゆるブラック企業ということで、中野に対して同情しつつも、
その境遇に甘んじて受け入れていることにイラッとすることも。まあメタ的には話を成立
させるためにブラックにせざるを得ないのだが。
特に自分より下を見て、「それよりはまし」とする態度は典型的ブラックから抜け出せない
人の思考に思える。
幼女のような容姿でありながら800歳の仙狐さんだが、その設定にふさわしく仕草、態度
などは少女のような部分とお婆ちゃんのような部分を併せ持った面白いキャラ。
2019/07/15
2023/10/16 加筆・修正