anime さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アニメ化してくれてありがとう
戦国時代に入りつつあるような乱世が舞台。父親が鬼神と取引して、生まれてすぐに手足や目鼻などを食われて捨てられてしまった主人公百鬼丸は、義手や義足の技能を持った医者に奇跡的にひろわれ、剣術を身につけて旅に出る。そして「どろろ」という名前の孤児と出会い、一緒に鬼神たちを倒し、失った身体の一部を少しずつとり戻していくというお話。
序盤は各地で物の怪や鬼神と対峙する1〜2話完結を主軸に、中盤から終盤にかけては自分を捨てた父や母、弟との出会いを経て、恐ろしく数奇な運命に決着をつけようと主人公が必死に足掻く姿が描かれます。
エピソード毎のお話も見事ですが、いろんな形で世の中の不条理をあぶり出しつつ、親や兄弟と対峙させるまでに展開する流れが本当に素晴らしかったです。
実の母、そして育ての親から「自分にお前を救うことができない」とはっきり言われるシーンは圧巻だったと思います。そしてこの究極の絶望から自分はどうすべきか、どうあるべきかについて、答えを探し続ける百鬼丸の姿に胸を打たれました。
また、ラストで実の父親が「唯一の誤りは産婆に任せたこと。一思いに自分が・・」と語るシーンは、武士としてそして父親としての想いが吐露された言葉として、とても重みを感じました。
時々こういうすごい作品に出会うので、深夜アニメのチェックはやめられません。
傑作だと思います。