退会済のユーザー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
いい意味で京アニらしい作品です
『万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也』
清明。一話で示されるこの言葉。
それは晴れ渡たった空と百花が咲き競う季節。暦便覧に記されている
「二十四節気」、春の季節を表します。
物語は空が澄み渡る4月に始まり、各季節を捉え、そして早咲きの桜
が舞う季節に新たな始まりを迎えます。
学園生活で起こる様々な謎の解明に挑む神山高校古典部4人。
表題『氷菓』にまつわる謎解きから始まる奉太郎の優れた洞察力。そ
して「私、気になります!」とヒロイン千反田えるが持ち込むミステ
リー。些細な日常の謎解きを巧みな演出で観るものを引き込んでいく。
好奇心旺盛で時折暴走し奉太郎達を巻き込む不思議感漂うこの少女を
京アニらしい美しい作画で魅力的に描かれています。
桜が舞う美しいラストで「省エネ主義」を貫いた奉太郎。しかし最後
にえるが言う一言に二人の希望を感じる終わり方でした。
派手さは無く常に緊張する展開ではありませんが、決して退屈するこ
とはない素晴らしい作品です。