クレナイ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
1クールでうまくまとめてます
女子野球をテーマとしたアプリゲーム原作のアニメ化作品。
1クール12話構成で2019年春に放送されました。
【物語】
中学時代も野球をしていた主人公・有原翼が野球部のない里ヶ浜高校に入学し、野球同好会を発足して部員を集め女子野球部へと昇格させて大会に出場していくストーリー。
最初は練習場所すらないまっさらな同好会からのスタートで、メンバー集めが主な目的となっています。
それぞれのキャラクターの背景を少し掘り下げつつ、初心者から経験者までメンバーを少しずつ集め、練習場所も自分たちで整備して確保し練習を行い「女子野球部」へと昇格していくストーリー。
終盤には大会にも出場し野球部としての初勝利を目指す事になる。
全体的な流れもわかりやすいストーリーで好感が持てました。
【作画】
良い所と悪い所がはっきり分かれているかなという印象。
キャラクターがアップになる場面ではしっかり描かれていて、キービジュアルのように綺麗なのですが、野球部員ともなると人数が多いため、どうしても並んでいるような描写になると、雑な描き方がされている部分がありました。
若干余談ですが、部員の一人である「岩城先輩」の打撃の描写だけは、どの回でもひたすら描写が細かく、驚くほどのハイクオリティで描かれており、作画班の推しキャラだったのかと思われます。もしあのクオリティで全作画を仕上げていたらすごい作品になっていたと思います。
【声優】
アプリゲームから継続でキャラクターを演じている事もあり、作品に対する馴染みも深い事もあるのか、どのキャラも違和感なく演じられていたように思います。中でも主要キャラの「宇喜多茜」役の花守さんは、気弱な感じの茜を見事演じていたように思います。
【音楽】
OP曲はアップテンポで野球というスポーツを題材にした作品の雰囲気を壊さず、かつ夏の青春を思わせるような爽やかさもある曲で良かったと思います。
ED曲は名曲の「どんなときも」を野球部員の声優さんたちでカバーした曲でこちらもさすがブレない名曲なので聴き心地が良かったです。
【キャラ】
舞台となる里ヶ浜高校の野球部員だけでなく、対戦相手のキャラクターにも一部スポットを当てるなど、必然的にキャラ数が多いにも関わらず、よく描き切ったなと思います。ある程度アプリゲームの中で性格設定は確立されていたというのもあるのでしょうが、声優陣の熱演もあって個性も出ていたと思います。
一部野球部員ではないものの、ゲームでは部員になる(将来の部員候補)のキャラクターも複数名登場しており、2期への伏線にもなっているのかなと思います。
【総評】
若干のネタバレを含みますが、1話からの流れを非常によく汲み取って最終話までつなげているなと感じました。
11話と12話にかけて試合が中心になるのですが、それまでに積み重ねてきた個々の練習の成果がしっかりとつながって試合で発揮されていたからです。それまで葛藤してきた部分であったり、うまくできなくて悔しい思いをしてきた部員たちにもスポットがあたり、それまで伏線をしっかり回収してまとめていたのが好印象でした。
今後につながる伏線も少し残してくれているので、2期を期待したくなる作品だったと思います。