takumi@ さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
嫁ぐ君へ
秋元康氏の企画・総合プロデュースにより、
アニメーション作家の城井文が制作した作品で、
淡くやさしいタッチのイラストそのままの、
やさしい想いが込められています。
想いは人間のものだけど、主人公を象にすることで
語られている以上の揶揄を感じます。
本作は、余命少ないお父さんが残される家族への愛を語った
「象の背中」の続編で、お父さんが亡くなって20年後、
娘が嫁いでいく姿を見守りつつ、彼女を想う気持ちが語られ、
そして・・という内容。
6分ほどの短い時間ですし、先は読めるものの、
思わずじわっときてしまうんですよね。
「君の寝顔を見て ずっとそばにいて欲しいと
20年以上も思い続けてきた・・」
母から想う息子とか、父から想う娘っていうのは、
決して叶うことのない片想いみたいな、
いつかは自分から離れていくのだっていう、
どこか覚悟を秘めた恋心に似ていて、
結婚というひとつの区切りで、娘や息子の相手にバトンタッチをする・・
それはどうしようもなくせつないものなんでしょうね。
ましてや生きてその姿を見送れない、という状況が加わればなおのこと。
象の娘さん・・どうか しあわせにいつまでも暮らして欲しいものです。
ちなみに、『象の背中』『続 象の背中』とも、
アニメーションと同じ内容の絵本が出版されています