ようす さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
偉大で至高な御方の存在は絶対。今ここに、その忠誠を誓え。
オーバーロード3期です。
圧倒的強さを持ったナザリック陣営が
今回はどのようにして支配の手を回していくのか…。
全13話です。
● ストーリー
VRMMORPG「ユグドラシル」。
サービスが終了したこのゲームの世界に取り残されたプレイヤーが一人。
かつての仲間達と築いた“ナザリック地下大墳墓”の支配者として、
今はアインズ・ウール・ゴウンと名乗っていた。
仲間たちが創造したNPC達と共にナザリックを守り、
もしかしたらこの世界にいるかもしれない仲間を探すことを目的に、
ナザリック陣営の強化と、
世界の情報収集にあたっていた。
3期は「カルネ村編」と「魔導王爆誕編」です。
(私が勝手に命名)
2期と変わらず、
アインズ様の出番が少ない回も多く、
巨大なナザリック陣営の策略を、
作戦を受けている側の視点からながめるスタイルです。
≪ 物語をながめる視点配置が見事 ≫
A.人間の住む世界の平和を脅かす恐怖の存在。
B.その存在に立ち向かう勇敢な人間たち。
普通なら主人公はBサイドにいるはずですが、
本作ではAサイドが主人公です。
物語の視点は、
Bサイドがメインで進むのですが。
どんなRPGでも、悪の脅威を倒そうと思っているのは、
主人公の勇者一行だけではないはず。
他にも倒そうとしている人たちや、
関わる人間や種族はたくさんいるはずなのです。
だけどRPGものの多くでは、
主人公一行の物語にだけスポットライトが当たりがち。
じゃあ他の人たちは?と、
悪役側を主人公に据えることで、
彼らに関わるいろんな人たちに
スポットライトを当てることに成功。
しかも悪役側が主人公なら、
物語がどのような結末を迎えようと、
たとえば勇者で最強で魅力ある中心キャラが死んでしまうなどしても、
衝撃は走っても物語に終わりは生じないというw
見ている側には主人公である悪役側を応援したくなる心情も生まれ、
(それはキャラの魅力の効果も大きいが)
圧倒的な強さを持つがゆえに、
心にゆとりをもって物語の行く末を見守ることができる。
Bサイド(物語進行の舵取りサイド)はいつだってピンチで命がけで、
ハラハラなのにね。
この作品は本当に、
そういう立場を活かした見せ方が秀逸だと思います。
● キャラクター
ナザリック陣営(A)も、彼らに立ち向かう主人公っぽい人たち(B)も、
みんな魅力的です。
今まではナザリック陣営のキャラの魅力で、
彼らがいかに残虐でも、圧倒的な強さがかっこいいと思っていました。
ただ、Bサイドにも魅力的なキャラが増えてきたことで、
そのバランスが崩れてきた気がします。
また、残虐さをカバーする、
ナザリック陣営の魅力的な部分の描写も、
今回は激減していたような。
そのためか、ナザリック陣営のチートすぎる強さには、
やりすぎな気がしてきました。
もう打つ手なしじゃんw
ナザリック運営を脅かすかもしれない存在どこいったww
アインズ様はいつでも“ナザリック陣営のためになるかどうか”で
物事を判断します。
ナザリック陣営のためにならないもの&無用なものは、
簡単に切り捨てる無慈悲さ。しかも圧倒的な強さで。
1期や2期には、そういう部分もありながら、
みんながほどほど平和な結末に着地してきたけれど、
{netabare} ガゼフが殺された {/netabare}ことにより、
3期では少し雲行きが怪しくなりました。
1期や2期ではその圧倒的な強さを楽しめていたけれど、
3期では冷酷さに少し疲れてきた気もしています。
これから先もこのようなバランスで物語が進むのであれば、
私はナザリック陣営を好きでいられる自信がなくなってきました。
● 音楽
【 OP「VORACITY」/ MYTH & ROID 】
これまでEDを担当していたMYTH & ROIDが、
今回はOPを担当。
だけどOPっぽいし、オバロの雰囲気にも合っているし、
文句なしのOPです♪
【 ED「Silent Solitude」/ OxT 】
反対に、これまでOPを担当していたOxTが、
今回はEDを担当。
今までのEDの雰囲気を引き継いだ、
こちらもオバロのEDらしい雰囲気で、
原作絵にもマッチしていました♪
● まとめ
アインズ様たちの支配は順調に進んでいますが、
ユーモアや人間としての葛藤ゆえの魅力は減ってしまった気がします。
ガゼフたち、普通の人間の抗う姿の方が魅力的でした。
4期の知らせはまだありませんが、
続編があってもおかしくない終わり方だったので、
気長に待ち、
この世界とアインズ様の願いの行く末を見守りたいと思います。