8bit さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
実写寄りの演出 見事な美術 素晴らしいレイアウト
原作未読。
ストーリーについてはネタバレになるので詳しい話は割愛させて頂きます。
本筋は大きく分けて過去編と現代編。
過去編の描写は特に突出しており、様々な点で心を撃ち抜かれた。
シネスコ比率を用いた没入表現。
昭和を彩る色彩設定。
空気感を出す為の撮影。
物語を退屈に見せないよう工夫を凝らしたコンテ、レイアウト。
人としての魅力を出すための演出。
そこに人が暮らしていることを象徴する美術、プロップ。
観始めの頃は主人公と母親の声に違和感を覚えキャストミスなのでは?と思いましたが
見続けているうちに「あぁ、これは上手く計算されているんだなぁ。」と見え方が変わりました。
この点に関しては意識を切り替えて観られない人には結構シンドイと思います。
高山みなみの声はどう聞いても高山みなみですし、主人公の声は棒気味です。
アニメは総合芸術。
この言葉通りの作品です。
魅せ方が非常に上手く「何気ない行動」や「何気ない場面」にも情報を詰め込んでおり目を離す隙間が無かった。
柱に刻まれた子供の成長を測る傷跡。
母の愛がこもったお弁当、何気ない朝食や夕食。
特別な意識をする事なく過ごした教室や公園、街そのもの。
一見すると当たり前の光景を当たり前の様に描いているのだが
これは意識的に描かないとこうはならない。
「あぁ、ここにはこういう人が暮らしているのだ」という情報が画面から満遍なく伝わってきた。
何気ない日常表現とアニメ的な誇張表現・カメラワークの使い分けが秀逸。
目玉焼き…涙
大満足です。
本当に良いアニメに出会えました。