アトランティス さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
大切なものを守ること、選ぶこと。
思春期症候群で去年一躍話題になったアニメ。
ラノベながらハーレムハーレムしていなく、終始しっかりとしたテンポのラブコメが好評を受けていました。その映画化作品。
原作でいうと既刊9巻(2019.7現在)のうちの6,7巻にあたる部分です。
最近本当にアニメ映画が多く、嬉しい悲鳴状態ですが今作も当たりでした。
今までアニメでは、それぞれのヒロインが抱えている思秋期症候群に
主人公の梓川咲太が関わりつつ、克服していくというものでしたが、
映画ではアニメであまり出番のなかった「牧之原翔子」の登場で
これまで通り「他人の思春期症候群を治してあげよう」と行動していた
咲太自身にも影響が出てきます。
本編を見た印象としては、これは
ヒロインである「牧之原翔子」でも「桜島麻衣」でもなく
主人公「梓川咲太」のための物語だと、そう思いました。
アニメの続編という立ち位置なので、これまで明かされなかった咲太の胸の傷の正体も分かりますし、思春期症候群を克服して「かえで」から「花楓」に戻った妹の日常も描かれます。それに加えて、これまでそこまで露にならなかった麻衣の咲太への感情が爆発するシーンもありました。
映画は90分終始重い展開が続きますが、原作を読んでいても重い感じは相変わらずでしたので、無理に変な笑いを入れてきて雰囲気が崩れるよりもずっと良かったかなと思います。
90分より体感は長かったですね。
ヒロイン総出で今回は脇役の理央もしっかり感情描写がされていて、内容は濃く盛りだくさんなように感じました。
どちらかを救えばどちらかが死ぬ。
「死」という事実を初めて目前に咲太が下した決断、
そして抗えない現実に最後までもがいて見せた咲太の生き様を
ぜひこの本編で見ていただけたらと思います。
個人的に今年見た中でもかなり上位でした。
これから、放映劇場も拡大されるようなので、まだの方はぜひ。