「ガンダム Gのレコンギスタ(TVアニメ動画)」

総合得点
57.5
感想・評価
384
棚に入れた
1504
ランキング
6960
★★★★☆ 3.2 (384)
物語
2.8
作画
3.5
声優
3.3
音楽
3.4
キャラ
3.2

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ネタバレ

reath さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1
物語 : 4.0 作画 : 2.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 2.0 状態:観終わった

テーマはとてもいいと思いますが色々失敗してる作品

一応リアルタイムで視聴しましたが、最近ガンダムNTをはじめ、初代ガンダムのTV版(劇場版、オリジン版は見てた)、Vガンダムの小説版(TV版視聴済み)をようやく見たこともあり、ガンダム熱が再発したこともあって今一度富野監督の最新作だった、Gのレコンギスタを評価してみようと思いました。

当時の感想としては、富野さんだなとファンとしての感慨深さはあったにせよ、絵作りや、話の分かり辛さ、初見だけではよくわからない展開。
これは一般的には駄作扱いされるなと思いながら見ておりました。

実際こうして時間がたって多少再評価される方はいても、世間一般的には駄作扱いされております。


ただ、自分もレビューサイトなどで解説等をみつつ再評価してみると、本当にテーマはすごくいいものだったと思います。

今の戦争を忘れた世代が中心になった現代だからこそ、戦争に至るまでのプロセスを描いたこの作品は本当に意味のあるものだと思うからです。

以下ネタバレ併用の感想となりますのでご注意を

{netabare}

宗教管理によるエネルギーの独占を「悪」としてとらえたヒロインが、「正義」のために決起し、進んでいくが実際はただ人類を存続させるために「善意」で作られたシステムによって平和が成立していたことに気づいていく物語であったが、それぞれの不満や秘匿された技術が色々な勢力に渡ったことによって技術発展が急速に進み、武器を持った人々によって開戦まで行ってしまったのがこの物語の趣旨になると思います。

話数の関係からか、急進派が真っ先に死んだことで急速に終戦しその後もほとんど語られないため、結局何だったんだっていうのだけが残ってしまった作品かなと思います。

終盤の開戦に至るまでの戦闘は、テロを起こした集団とそれを追撃する治安部隊による小競り合いが中心で、大きな戦いは殆ど発生しておりません。

この物語で語られる主なシナリオとしては実はこれだけなのです。

そのため戦う意味などは殆ど存在しておらず、登場人物も大儀のために戦っているわけではないので、よくわからない戦いになってしまっています。。

このあたりが、この作品がつまらないという評価につながる部分だと思うのですが・・・とりあえずこの世界はもともと完成されたシステムによって運用されており、平和な世界なので人が争う理由がない世界なんですね。

そのため本来は戦い自体がほとんど無意味な世界なんです。


ですがこれは宇宙世紀を通して考えると、この物語の世界観はまさに人類が革新して人類として存続可能なな世を手に入れていたとれる所のが面白いところなのです。(この辺はターンAガンダムとほぼ同じ世界観かもしれませんが)

宇宙世紀ガンダムの話を少し織り交ぜますが、宇宙世紀の始まりは増えすぎた人口が地球で生活するにはそれだけで、様々な生産、消費活動により、地球の温暖化など、地球環境自体が悪化しました。(これは現代の環境問題とも関連した話です)

宇宙世紀ガンダムの世界では、これにより危機感を覚えた人類は、人口淘汰ではなく、ほぼすべての人間をスペースコロニーへの移住させる事によって地球環境の保全を行い、地球の回復を願うことが始まりの物語です。

ただ、これは綺麗ごとでは済まず、貧乏な庶民の移民費用を3代にわたるローンを強制的に組まされ、強制的に移民させられたうえ、巨大なコロニーの維持点検に必要な人員も移住した人たちに半ば強制労働てきに押し付けており、地球連邦政府の圧政により、コロニーに移住を強いられた人々は決して夢や幸福のある生活にはならなかったのです。その上、コロニーは自分たちの権限で物事は何も決められず、自主権は認められず地球に住む特権的な階級の人たちが様々な恩恵を得る中奴隷的に扱われることになります。

そういう日々の鬱憤がたまる中、ジオン独立運動が勃発し始め、後に人類の半数以上を死滅させる1年戦争や、後に人類の滅亡にまで行きかける長い長い宇宙世紀の戦乱の時代へと移行していくことになります。

こうした問題は、兵器や、エネルギー問題も関連しており、多分宇宙世紀末期には人類滅亡直前までいったのでしょう。

人類が地球を汚染するのを避けるため宇宙移民をしたように、人類は自らの滅亡を回避するために、兵器を縛り、エネルギーも一本化し、一つの巨大な宗教によって管理することで、人類に大きな過ちを正した世界がレコンギスタに至るまでの世界になっているようです。

そのため、科学技術は衰退しており、怪しげな巨大宗教はあるものの宇宙移民時代のような理不尽な搾取社会にはなっていません。

ただ、本編でもわかるように、結局宗教による管理だけでは、人類を争いから守ることができず、今後の世界では宇宙世紀と同じような末路をたどるようなせかいになってしまうかもしれませんね。

だからこそ、ターンAガンダムのような超兵器が必要になってくるのかもしれませんが・・・。

まあこの辺の話はガンオタでもない限りあんまり関係ない話だと思うので、宇宙世紀から続く、富野ガンダムとしてみた場合、なるほどある意味に集大成の作品ではあるなという評価にはなるかと思います。

問題はこれを表現するにはアニメは適した媒体ではありませんでしたし、表現も古臭く、話の内容もわかりづらく、今の時代には合わない要素が多かったことが最大の失敗ではないかと思います。

同じ話でも原作が小説でしたらもっと違った話になったかもしれませんね。


そういう意味では既に富野さんの原作の小説があり、まさに上に書いたような「特権的な人たちへの反逆とその結末」を描くであろう「閃光のハサウェイ」の劇場版は、どういう話になるんだろうと今から期待が膨らむばかりですね。


と・・・ほぼこの作品とは関係ないことをダラダラ書いてしまいましたが、個人的に世界観は◎、そのほかの要素がアニメ作品として致命的だったのでアニメ作品としては失格という感じになるかと思います

Gのレコンギスタの劇場版が本当に作られるかどうかはわかりませんが、この辺のテーマをもっとちゃんとアニメ作品として楽しいように昇華しつつ伝えられるものになれば、再評価される可能性はあるかもしれませんね。
{/netabare}

投稿 : 2019/07/04
閲覧 : 373
サンキュー:

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