緑のラン さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
一度見る価値のある作品
監督の湯浅政明さんは、クレしんで有名になり私は、ピンポンで好きになった監督。
もともと独特の映像表現を追及する人で、このデビルマンでも絵の簡略化やデフォルメを追求しながらも共感できるような親近感を表現しようと色々試しています。最近のアニメの表現手法でメジャーな影や複数の色を使った表現とは真反対のシンプルな線、シンプルな色だけで、それでいてリアルに見えるのが凄い。細田監督にも似ているが画力は圧倒的に湯浅さんが上。見てると、まるで現実と仮想の中間に居るような感じになります。この絵こそがこの作品の終盤のショッキングなシーンにそのギャップから見てる人にインパクトを与えます。難点は、湯浅さんの絵にデビルマンのキャラデザを無理やりかぶせた感がする事。ちょっと無理やりな感じはあります。どうしてこうなったのかは不明。
この作品、有料ネット放送(Netflix)の利点を生かしてエログロをガンガンやってます。TV等では放送自粛でできない表現に挑戦できるんです。DEVILMANにはぴったりの放送媒体でした。
テーマは愛。あらゆる愛。その為の性的表現、そして感情のその先を描いてます。悲しみのその先の悲しみ、怒りのその先の怒り、憎しみのその先の憎しみを表現していました。
サタンであり男性であり女性である飛鳥は親友でデビルマンである不動明を愛していました。そして明はミキを愛し、彼を悪魔にする為に追い詰めます。全ては飛鳥の愛。飛明の飛鳥への愛は博愛。そして飛鳥の明への愛は、同性愛であり純愛。明とミキの愛は、家族愛であり男女の愛でありそしてやはり純愛。
人は何故戦うのか、欲望と愛の本質を現在の感覚でデビルマンを再構築して描こうとしている作品。元のデビルマンを知っていても、一度見てみる価値のある作品です。