緑のラン さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
福井晴敏さんに何度も裏切られてきたけれど今回は良作
ガンダムの時系列で言うとガンダムユニコーンの後。今回の脚本もガンダムユニコーンの脚本を担当した小説家の福井晴敏さん。この人が書くものは、途中までは盛り上がりワクワクするんだけれど最後がグタグタになる(なんでーーってなる)。亡国のイージス、ローレライ、戦国自衛隊1549、そしてガンダムユニコーン。毎回、毎回裏切られて、流石に今回は映画を見に行かなかった。でもamazonで400円ならと見てみました。
まずは今までの福井さんへの不満を書くと、何時も仕込みは良いので期待して毎回見ていました。ユニコーンだって、ヒロインがまさかのミネバ・ザビ(オードリー)、そしてプル・トウエルブ(マリーダ・クルス)にシャアのクローンなど、このキャラ設定だけでワクワクして見たくてしょうがなくなります。それなのに、それなのに、あのラスト。そりゃ逆シャアでサイコフレームでアクシズを止めちゃった富野さんが悪いんだけどね。神がかったチートガンダムになってしまったユニコーン。
人が人としてのタガを外してしまったりなんでもありのMSとか、それをやったら作品は面白みを失っちゃいます。進撃の巨人でもベルセルクでも主人公がチート能力を発揮したらリアリティを失ってしまうんです。
今回も福井解釈のサイコフレームの延長線です。(サイコフレームとは、逆襲のシャアでガンダムの装甲に用いられた素材で人の意思の力を伝える物質。)このサイコフレームがユニコーンでの福井解釈で時間や人の命や死すらも超えてしまう。残念な事に今回のNTでも引き継がれていました。
こんだけボロクソに福井さんを書きましたが、今回のガンダムNT、ストーリーがよく出来てます。見事に伏線がいろいろ仕込まれていて、それがちゃんと回収されてます。どうしたんだ福井さん、いつものグタグタが無いじゃないか。見終わってすぐ複線についてちょっと考えながらも、よくできてる、かなり良い終わり方だったなと感じました。難を言うと話が暗い、真っ暗、そして何も救いが無い。それは、Zガンダムや逆シャアと言った黒富野作品(皆殺しの富野)を真正面から受け止めた続編だし次に映画化される閃光のハサウエィを考えたら、このぐらいで暗いと言ってたら耐えられないので仕方ないですね。(こんな欝ガンダムを次々に作っていって本当に観客がついてくるのだろうか?と心配になります)
あと、流石にガンダム、出てくるMS(小道具)が実に細かいところまで考えてます。この辺りは、福井さんが考えたのかスタッフなのか見事です。 私は、ジェガン、グスタフカール、ギラズール、そして何よりディジェが出た時に小躍りしました。(ディジェとはZガンダムでアムロが搭乗していたリックディアスの陸戦改良型として登場した物。判る人には判るかなりマニアックでありながらMS開発の流れ的には非常に重要なMS。これが判ってることに感動)しかしネオジオングは、ねぇ。それだすなら、やっぱフェネクスのラストは、ラストシューティングでしょ。とそこんところは、ちょっと不満でした。